2005年11月27日

バカ暖房

この数日、道東に演奏旅行に行っていた。
ある体育館での演奏で会場がとても暑かった。
その体育館はスチーム式暖房で、
体育館の天井にびっしりと暖房パネルが吊るされている。
リハーサル中は暖房を入れてから時間が経っていないためか、
天井のパネルからスチーム暖房独特の”パチンッ!、ピキンッ!”という音が、
体育館に響き渡っていた。

さて、演奏会本番。
予想していた通り効きすぎた暖房で会場はゲロ暑・・・。
天井の熱源は強烈である。頭が熱い。帽子が欲しいくらいだ。外は雪だというのに。
お客さんの半分以上は子供たち。みんなぐったり。
Tシャツになってもまだ暑いらしく、パンフレットで顔をあおいだりしている。
可哀想だが、そんな中タキシードで演奏しているこっちはもっと可哀想だ。
急に暖房を消すと例の”パチンッ!、ピキンッ!”が鳴りだすのは分かるが、
この天井の熱パネル何とかならんか! 魚焼き器じゃないんだぞ!!

こういう微調整の効かないバカ暖房は北海道には沢山ある。
身近なところでは芸術の森にもある。
札響の練習場にもなっている施設なのだが、
練習場の気温は恐ろしいことに、冬は28度に達し、夏は21度を下まわる。
冬はTシャツでも汗だく、夏はカーデガンは羽織っても寒いありさまである。

カーデガンと言えば・・、
最近、カーデガンの事をカーディガンと言う人が多い。
店でもカーディガンとして売っている。
この「ディ」という発音に違和感を感じるのは私だけだろうか・・・。
「カーディガンなんでないかい?」って訛ってるみたいでないかい?、である。

最近急に呼び方が変わった衣服は他にもある。
例えば背広がスーツに変わった。
「太陽にほえろ」で山さんやゴリさんが着ていたのは背広だったが、
課長島耕作が着ているのはスーツだ。
私は大人になったらスーツでなく背広を着たかった・・。

ジャンバーがジャンパーになったり、
ヤッケがブルゾンになったり色々あるのだが、
もっとも許せないのがズボンがパンツに変わったことである。

「パンツ」はあくまで「パンツ」であって、グンゼのパンツなどであって、
「ズボン」ではないと思うのだが、いかがなものか・・。

「お客様、パンツはこちらでございます」
「パンツやのうてズボンが欲しいんやけどな」
「ですから、パンツはこちらに・・」
「ねえちゃん、冗談言うたらあかんで、パンツ言うたらパンツやないけ、
 何か? この店は客にパンツ一丁で街歩るけ言うんか? あ”〜〜?」

「パンツの裾はシングルにしますか? ダブルにしますか?」
「パンツにシングルもダブルもあるかーーーー!!」
(ノ-_-)ノ^┻━┻ ちゃぶ台返し
と、思わず関西弁で絡みそうになるくらい違和感を感じる。

話しが外れた。
冷暖房の話しである。
この芸森のバカ空調は広く世間に訴えたい。クドヴィッチたちが必死で
休憩時間などにドアを全開にしたりしても、熱くなったり寒くなったり最悪なのだ。
しかも、暑くなりすぎたと言って送風にすると、
ファーストヴァイオリンとヴィオラの楽譜がふっ飛ぶ程の強風が吹く。
こんな空調あるかーーーー!
(ノ-_-)ノ^┻━┻ ちゃぶ台返し

体育館の安物のスチーム暖房じゃないのだから改善を望みたいところだ。
実際、効きすぎの空調ほど困ったものはない。
みんなイライラして作業効率は落ちる。集中力も落ちる。
健康にも悪いし、エネルギーの無駄だ。
芸森は札幌市の施設だから税金の無駄でもある。
百害あって一利無しとはまさにこのことだ。

更に付け加えるなら、
2階に数部屋ある室内楽なんかの練習をする小練習室の空調も酷い。
夏に暑いからといってうっかり冷房をつけると、
あっという間に室内の湿度が70%を越え、楽器の指板は濡れてビショビショ。
使い物にならない。

せっかくの立派な施設も空調がこれでは台なしである。
何年も苦情を言いつづけても、やれ微調整が効かないだの故障中だの埒が明かない。
数年前に業者が入って空調を新しくしたはずなのだが目に見える改善は無かった。
暖簾に腕押しの状況に根負けしそうになるが、
この施設を使うのは札響だけではない。
借料を取っている以上、施設には常識的な温度や湿度を提供する義務が
あると思うのだ。まして公共の施設なんだから。

はたしてこれでいいのでしょうか?。いいわけないのです。
だから私は叫ぶのだ。
みんなー、聞いてくれーーー!と。  

Posted by arakihitoshi at 00:50Comments(3) │ │雑感 

2005年11月16日

4丁目界隈

ブログというのは弾みが付くと毎日でも書けそうな気がするが、
一旦滞ると面倒になるものだ。
これはブログに限らないかもしれない。
考えてみれば、腹筋もウォーキングも最近全くやらなくなってしまった・・。
せめてブログは続けよう。ここがふんばりどころなのだ。
こういう時はえてして面白い文章というのは浮かばないものだが、
とにかく書くのだ。

さて、BBSでも話題になったが、
三越の隣の丸善が4丁目界隈から撤退した。
丸善にはシャッターが降りて、移転を告げるはり紙がしてあった。
丸井にも用事があったので行った。
丸井の横には紀伊国屋がある・・。いや、あった。
行き慣れた思い出深いあの店舗は既に無く閑散としてた。
去年、狸小路の旭屋書店が撤退した跡を見た。
旭屋があったフロアはガランとしたまま放置され、
テナントで入っていた文房具屋だけがフロアの隅で不自然に営業していた。
紀伊国屋や旭屋の店舗は、風景画を書けるほど今でも頭の中に鮮明に蘇る。
パルコの7階にあった富貴堂も姿を消した。
十代の頃から通い慣れた本屋の撤退を寂しく思うのは私だけではないはず。

日劇や狸小路にあったほとんどの映画館も移転、もしくは撤退し、
本屋、映画館、電器店などは4丁目界隈からすっかり姿を消した。
パルス21がマルサから撤退し、レコード店の行方も気がかりだ。
そして何としたことか、かさはら楽器まで無くなってしまった。
このままでは4丁目界隈から文化の香りが消えうせるではないか。

パルコができる前はあの場所にはたしか二階建ての富貴堂があった。
その隣、今のマルサがある場所には帽子専門店があった。
70年代は日曜日には駅前通りや一条通りは歩行者天国となり、
子供心に世界の中心にいるような賑わいを感じたものだ。
少年時代に、駅前通りの歩行者天国でオーケストラが演奏するのに遭遇した
記憶がうっすらとある。
考えてみれば歩行者天国という言葉も今は死語だ。

先日、家の近くの国道沿いに大きな空き地が出現した。
何の跡地なのか、空き地になる前は何が建っていたのか、
毎日の様に通る道なのに、どうしても思い出せない。
家人の記憶などと照らしあわせて、
どうやら古るくて大きな廃業した銭湯があったようだ。
言われてみればそんな気がしなくもない。
こうして街は変わっていくのか。

4丁目にパルコができる前はあの場所に富貴堂があったと書いたが、
さらにその前には回明堂という眼科医院があった。
私の曽祖父にあたる人の医院だ。

札響の創設者の荒谷正雄先生が隣家に住んでいたそうだ。
屋根の上で熱心にヴァイオリンを練習する少年時代の荒谷先生の話しを
105才で亡くなった曽祖母から何度か聞いたことがある。
戦争の陰はあるものの、日常はのどかでいい時代だったのかもしれない。

さすがにその頃の4丁目界隈を知る人は今は誰も存在しない。
こうして街は変わっていくのだろう。  
Posted by arakihitoshi at 01:16Comments(2) │ │雑感 

2005年11月04日

ほっちゃれ

昨日は函館から車で1時間ほどの場所にある知内町で、
ほくでんファミリーの演奏会であった。
尾高さんの指揮で知内単発という豪気な仕事である。しかも入場無料。

知内は大きなホールが無いので体育館での演奏であった。
体育館の裏には知内川というそこそこ大きな川が流れている。
鮭の遡上の真っ盛りであった。
川のあちこちで遡上する鮭が跳ね、川面にしぶきと波紋が広がる。
川縁や川底には産卵を終えた鮭の死骸が転がっている。
産卵を終えた鮭は”ほっちゃれ”と呼ばれるが、
味も悪く食べられることもなく放っておかれるとか、
そんな理由からきた呼び名なのだろう。
ほっちゃりの死骸は文字どおり放置され、白い腹を空に向けて腐り果てている。
海猫にさえ見向きもされない。果無くも無残な姿である。

北海道がアイヌ・モシリと呼ばれた頃は、
今の季節、遡上する鮭で川という川が銀色に染まったというから、
その結果おびただしいほっちゃれの死骸が、
食物連鎖と人間の嗅覚に与えた影響は、
それはそれは計り知れないものだったと想像できる。

さて、鮭が跳ね上がる決定的な瞬間をカメラに納めようと粘ってみたが、
人間が近づくと鮭は警戒してしまうのか、なかなか跳ねてくれない。
鷹とか熊なんかに捕まらないように、
川岸の動物から遠ざかる司令が、きっと遺伝子に刷り込まれているのだろう。
川の向こう側では沢山の鮭が賑やかに跳ねている。
川面の反射もあるのでPLフィルターを持っていなかったのも悔やまれる。

鮭の寿命は4年くらいだったと記憶しているが、
足元に転がる死んだほっちゃれの脳にも4年分の記憶があったのだろう。
鮭の記憶に思いを馳せ、深まる秋に長い冬の訪れを・・・

いかんいかん!(`口´;)
たかが鮭の死骸ではないか。危なく分別臭いことを言うところだった!


下の写真は”ほっちゃれ”の死骸とかろうじて跳ねてくれた鮭。
ほっちゃれ





※11月6日追記
”ほっちゃり”と”ほっちゃれ”の2種類の呼び方があるという事が分かり、
検討の結果、”ほっちゃれ”に統一しました。  
Posted by arakihitoshi at 23:39Comments(3) │ │雑感 
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