2006年08月25日

出歯亀狂視曲

今日修理に出していたカメラが返ってきた。
機嫌よく部屋の中のものを色々と撮って遊んでいたが、夜思い立って近所の旭山公園に夜景を撮りに行った。
これがうかつであった。
夜の10時だというのに公園の駐車場はほぼ満車。
山頂に登ってみると、やはり・・・・。そこら中カップルの群れ。
肩をピッタリと寄せ合った若い男女が、あっちにもこっちにも腰かけ、うずくまり、寝転び、足の踏み場もない・・。
馬糞か!お前らは!! (ノ`口´)ノ^┻━┻ ちゃぶ台返し

今のオジサン、オバサンたちも皆昔はこういう時代を過ごしたのかもしれない。
私のこの感情も妬みなのかもしれない。嫉みなのかもしれない。過ぎ去った過去への切ない郷愁なのかもしれない。
しかしだな、こうも露骨に見せられるとだな、
「貴様らそれでも帝国軍人かーーーー!!」(ノ`口´)ノ^┻━┻
と、街宣カーで叫びたくなるな。

馬糞たちから立ち上る湯気と熱気で山頂付近は明らかに下界よりも3度は気温が高かった。
それより何より、この馬糞どもの間をカメラと三脚を持ったおっさんがうろついていたら、出歯亀と間違えられるではないか。

イヤだな〜、と思いながらもせっかく来たのだからと何とか気を取り直し、電灯の陰になっている暗いところを探す(レンズに電灯の光りが入ると被っちゃうからね)。
三脚を設置して、レンズを替えて・・、
それはいいのだが、さっきからななめ後ろのカップルの会話がなんとなく気になる。少しエロい話しをしている模様。
「○○がね、うん、そう、それでね触ってくるの〜」
「え? マジ? それやっべーじゃん」
「そんでね、お話しがあります、とか言ってさ、うん、そう。」

ほうほう・・・。んで? それから?
・・・・・まずい!(`口´;) これでは本物の出歯亀ではないか!
聞き耳を立てとる場合ではない。
やっとの思いで集中してファインダーを覗いてアングルを決める。

・・・ふと見るとさらに奥で何やらゴソゴソ・・・
/()゚O゚()\ひぃー お前ら何やっとんじゃーー!!!

だ、だめだ。とても夜景を撮れる状況ではない。
落ち着かない。集中できない。場所も無い。やる気も失せた。

そういえば、どこぞの芸能人だか学者だかがパンチラ写真を撮って逮捕されたではないか。
このままカメラを持ってここにいるのは非常に危険だ。誤解を招く。

『札響楽員 旭山公園で出歯亀狂視曲』

などと明日の夕刊に書かれては一大事である。

”出歯亀容疑で逮捕された荒木均容疑者(40)の自宅で押収されたパソコンからは、お下劣サイトを閲覧したと思える履歴も見つかっており・・・・”

ん〜。文字にすると最悪感が増すな・・。
一応IEの履歴は削除しておくか・・。

せっかく上機嫌でカメラと戯れていたのに何でこんな目に会わなきゃならないんだ?・・そんなこんなですっかり気分を害してしまった。

「お、俺だってなー、昔は佃煮にするほど彼女に夜景を見せたもんだぜ!、明日は我が身だ。せいぜい気をつけろよ!、若造ども!!」

旭山





問題の風景  

Posted by arakihitoshi at 23:34Comments(2) │ │カメラ・パソコン 

2006年08月17日

【自由研究】モーツァルトの秘密【夏休み】

最近の小学校というのは、こうも親の手を煩わせるのか。
プライベートなネタで恐縮だが、今回は私の小学1年生の娘の話である。

娘が小学校に上がってから、家庭内で学校関係の雑用がやたらと多くなった。
給食用のエプロンと三角頭巾の洗濯、
ハンカチ、塵紙、ナプキンを持参させること、
毎日の宿題、
まあ、こういう事は昔からあるからいい。
一番閉口するのが、図画工作などに使う素材を持たせる事だ。
曰く、3日後までにマヨネーズの空き容器を持ってこい。
曰く、新聞に挟まっているチラシを丸めて棒状の物を持ってこい(詳細なし)
曰く、ペットボトル(炭酸水などに使われる柔らかいもの)を持ってこい。
曰く、三角に縫った布(詳細なし)を持ってこい。
などなど・・・・・

こういった司令が、目的など詳しい説明を欠いた非常に分かりにくいプリントで伝えられる。
「あのですな〜、児童が自ら用意できないものは使わないか、もしくは教材として学校で配布していただけませんか?」と言いたいのを堪えて結局は親が用意することになる。
一方で、日々配られる算数や国語のプリントは、昔は先生が手書きで書いたものをわら半紙にガリ版で刷ったものが配布されものたが、今は業社製と思しき厚手のケント紙にカラーで印刷されたものが配られている。
観察用の朝顔の蔓が這う棒は、昔は竹棒に針金で自作したが、今は立派なプラスチック製の既製品が配布される。

少子化で余りあまっている文科省や自治体の予算を無理に使い切ろうとしてませんか?、と疑いたくなるほど豪華な教材が惜し気もなく与えられる一方で、
「マヨネーズの空き容器持ってこい・・・」
「あのですな〜〜、私にマヨネーズ一気飲みしろとでも?」
という現実もあるのだ。
ある程度手がかかるように設定して、親の教育参画を促す狙いがあるのか?
だとしたらサービス過剰である。

さて、夏休みも予想通り沢山の宿題や日課課題を持ち帰ってきた。
お手伝い自己評価プリント(青・黄・赤でその日の家庭への貢献度を総括する)
”めあて”達成度自己評価プリント(だいたい同じ)
朝顔観察プリント
絵日記(自由研究)
算数・国語のドリル
作曲(自由研究)

こうした課題もある程度は必要だが、小学1年生には多すぎないか?と思いながら手伝う。
自由研究の”作曲”の手伝い風景いはこんな感じだ。
娘が行っているピアノ教室でハ長調、ト長調、ヘ長調の和音が出てきたのを知っていた。
なので娘がピアノに向かって作曲と称して適当に弾いた音列をそれとなくハ長調に移調させる。
「なんか伴奏も付けたくなっちゃったね〜」と言ってドミソの三和音を一緒に弾かせる。
「綺麗だね〜〜」と言いながら、
「他に・・、なんだっけト長調の和音も習ったよね」と言いながらト長調に転調させる。
そして「この曲は何調? そう。ハ長調の曲はドで終わるんだよね」と言って強引にハ長調に解決させて作曲終了。

そんな茶番を演じながらふと思った。
4歳でピアノソナタを作曲し、9歳で交響曲を作曲した(だっけ?)モーツァルトの作曲風景。
昔から疑問に思っていたのだが、いくらモーツァルトが天才でも読み書きも満足にできないガキンチョがソナタを作曲?? 
読み書きは出来なくても和声や対位法やソナタ形式は知っていたとでも?、という事になる。

そう、「4歳で作曲したモーツァルト=天才」という固定観念ですっかり思考停止していたとしか思えない。なんで今まで気がつかなかったんだろう・・。
あれら幼児期に作曲された曲たちは、実はレオポルトが実質作曲したのだろう・・、そうだ。そうに違いない。

「そうだ。アマデウス。綺麗な響きだね〜」
「うん、パパ。次ぎはこんな感じかな・・・
「それはちょっと違うね。この方が良くないかい?」
「うん、そうだね。」
という作為的ながらも微笑ましいモーツァルト親子の作曲風景が目に見えるようではないか!

これで少し枕を高くして寝られるよ。


※この物語はフィクションです。学校に対する抗議等ではありません(汗)  
Posted by arakihitoshi at 01:33Comments(5) │ │音楽 

2006年08月07日

アディオス シミンカイカン

今日、市民会館で本番でした。
外は32度(NHKの温度計)で、近代冷房設備とはだいぶ違う環境の市民会館はとても暑く、タキシードは汗だくでした。(ステージ裏に氷柱を置いて演奏会をしたことも何度もあります)

相変わらず天井に頭をぶつけそうになる楽屋とか、狭い階段とか、使い勝手の悪さを呪いながらいつもの様に演奏会をしてきたわけですが、考えて見れば来年は取り壊しです。数えれば今日はラスト2の演奏会でした。

そう思うと急に、暑さも狭さも低さも全て許して逆に愛せるくらいの寛容な気持ちになりました(笑)。
ロビーのすっぱい感じの臭いとか、何故か飾ってあるアンモナイトの化石とか、テナントがしょっちゅう変わるレストランとか・・・。バーンスタインと記念写真撮った楽屋も・・。そっか〜。みんな無くなってしまうのか〜。

まだ小学生だった頃からの記憶と思い出が蓄積した場所なので、やはり郷愁に浸るなという方が無理というもの。
厚生年金会館も存続の危機だし、一度に大きなホールが二つ無もくなって大丈夫なんだろうか。仮に二つとも無くなったら市内中心部から多目的の大ホールが消える事になりますが・・。ホントに大丈夫? ホントにホント?
  
Posted by arakihitoshi at 00:32Comments(2) │ │音楽 | 雑感

2006年08月05日

ノー・グッド カメダ

オレはな、おとといか? 「その時歴史は」見てたんだけどよ、
たまたまボクシングのな、日本人で初めてのな、世界チャンピオンのよ、白井義男やっててよ、
「へ〜、すげ〜んじゃねーの?」って見てたんだけどな、
次の日な、仕事場でな、ボクシングの亀田か? そいつがよ、勝ったとか負けたとかな、
仕事場の連中が盛り上がっててな、
俺はボクシングの試合があったことも知らなくてな、その日の夜のテレビでな、
亀田っつーのの記者会見をな、見てよ、
なんだ? あいつは? 大勢の前で話す時のよ、口のきき方と態度っつーものをよ、まわりの大人がな、教えてやらねーといけねーんじゃねーの?

オレはな、スポーツよく知らねーし分かんねーけどよ、
ああいう場所でな、こういう口のきき方していいわけねえだろ?
ああいう愚連隊みたいなのをよ、スターに押し上げてな、持ちあげてな、おだててな、いいのかい? マスコミは? TBSは。
TSBはよ、金さえもうかればいいのかい?ってな、ホリエモンにガン飛ばしてたしてたけどよ、
視聴率さえとれればいいのかいってな、おんなじだろ、おい。

チャンピオンだか何だか知らねーけどよ、子供が真似するからテレビでしゃべらすな。ああ?
俺はな、勝ったとか負けたとか判定がどうとか分からねーけどな、
同じ日本人っつー理由だけでよ、あいつを応援する気はねーな。
白井義男を見た後だけにな、ガクッときたな。


は〜〜、この文章は書くのがしんどかった・・・。  
Posted by arakihitoshi at 23:50Comments(2) │ │雑感 

2006年08月04日

トリビュート ミヤガワ

今日『アキラさんの大発見コンサート』が終わった。
ちなみに「アラキさん」ではなく「アキラさん」である(笑

宮川彬良さんと自主公演で共演したいという声は随分前から団内にあったし、そういう意味ではこのコンサートは大願成就と言える。

今日は期待を裏切らない、いや、大幅に上まわるコンサートになったと思う。
「運命」が「マンボNo.5」になったり、「エリーゼの為に」がチャイコフスキー風ピアノ協奏曲になったり、宮川さんの編曲とピアノはまさに自由自在。
これぞ泉のごとく湧きい出る才能と揺るぎない音楽的基礎のなせる技。目の当たりにした私はひたすら感服するか妬むしか術が無い。

小気味の良いトークも手伝って、演奏会は終始笑いに包まれ和やかに進んだが、一日2ステージをこなすハードな仕事にも関らず、演奏するどの楽員の顔も幸せそうだったのには他にも訳があると思う。

前日の練習日にこんなエピソードがあった。ほんの一例だがご紹介しよう。
最後の演目であった「日本の歌メドレー」のなかの「烏の歌」で、「山の、古巣に行って見てごらん」の歌詞がある。有名な童謡なのでご存じだと思うが、その箇所で急にオーケストレーションが厚くなる。和声だけでなくティンパニーのロールまで入るのだ。歌の茂森あゆみさんもオーケストラも普通にバランスを取りながら演奏していたのだが、宮川さんが、「そこは思わず見回してしまうような広い山の風景で」とイメージを伝えた。
皆「なるほど・・、」と思い、ブロードリーなサウンドになった訳だが、言われて「なるほど」と思うものの、あの「烏の歌」を聞いて、「山の古巣に」の箇所で、最初からブロードリーな情景をイメージ出来る人がはたしてどれだけいるだろうか。普通はせいぜい学校の裏山くらいのもので、音楽もそれに見合った物になるだろう。

色彩感溢れる宮川さんの編曲はそんな豊かなイメージから生れてくるのだろうと思う。
こうした”目から鱗”の刺激は人を幸せな気持ちにしてくれるものだ。

ちなみに、今日の歌を担当した「だんご三兄弟」の時の歌のおねえさん、「夕方クインテット」のアリアさんでもある茂森あゆみさんは、TVで見るよりずっと魅力的であった。美人でスタイル抜群で何とも言えない可愛らしさを備え、大人の男の萌えツボをピンポイントで爆撃する魅力があった。
こうした”目に毒”の刺激はおじさん達を幸せな気持ちにしてくれるものだ。

今日は私の娘にも演奏会を聴かせた。家に帰るなり「エリーゼの為に」を弾きたいとピアノに向かった。会場を埋めた子供たちの胸にも今日のコンサートは大きく響いたと思う。同時に、これだけ完成度の高い演奏会、ガキンチョにだけ聴かせるのはもったいない・・と思ったのであった。

P.S.
今日の演奏会は”子供のための”であった。未就学児童オッケーだったので事務局が授乳室やベビーカー置き場を作った。子持ちの楽員に意見を聞く会議があったり、自主公演なので色々頑張った訳だが、ロビーに40台以上並んだベビーカーは壮観であったそうだ。
また、2公演とも早々に完売で、久しぶりに専務から楽員に大入り袋が配られた。

宮川










今日のプログラム(NHKスペシャル風で)  
Posted by arakihitoshi at 00:52Comments(2) │ │音楽 
#more#more#more/div#more/div