今週はいよいよ船舶免許の試験がある。
久しぶりの受験勉強と未知のフィールドを知ることはとても楽しかったので、終わってしまうのが少し淋しい。
試験は学科と実技に分かれて別の日に行われる。自動車と違って教習所という制度は無いので、基本的に一発試験である。
事前に教習教室には行くが、あくまで私塾という扱いである。なので何時間船に乗らなければならない、という決まりはない。
先週、小樽港で船の実技講習があったが、朝の9:30から昼休みの1時間を除いて夕方5:30まで、ぎっしり7時間船に乗った。
離岸、着岸、船を桟橋に繋ぐ係留、繋いだロープを解く”解らん”、船の向きを変える”変針”、蛇行、向こうから来た別の船を避ける”避行”、海に落ちた遭難者を助ける”救助”、磁石を使っての方位測定、などを繰り返し行う。
全長5メートルほどのボートに教官と生徒2人。
教官は50年配のオジサンである。がっしりとした体躯に日焼けした太い腕。波浪や船のエンジン音を突き抜けてよく聞こえるしわがれ声は、海で鍛えられた男だけが持てる独特の野趣なのだろう・・。はっきり言ってカッコイイ。私が女だったら抱かれてもいいと思った。
だが多分、彼が街を歩いていたら何の変てつもない普通のオヤジさんなのだろう。
やはり海と船は男をかっこよくしてしまうフィールドなのだ!。うーん、マンダム。
船と言えば、今日は支笏湖にカヌーの講習を受けに行った。
カヌーを買った秀岳荘が催すカヌー教室である。夏の期間だけ月に一度ほどあるらしい。
支笏湖のモーラップキャンプ場に張られた”秀岳荘”の印字入りテント。
「おお〜、秀岳荘だ・・」という周りのキャンパー達のどよめき。
今日は自分が秀岳荘のインサイダーであることがちょっと誇らしい。(少し前の自分からは考えられないアウトドア野郎的発想である)
参加者は私を含めて一人で参加の男が4人と夫婦一組。
カヌーの漕ぎ方、前進、後進、回転、真横に動かす、などの繊細なパドリングワーク。そして午後はロープでの遭難者救助の方法や、転覆したカヌーを起して乗り込む練習などをした。
カヌーは購入後何度か家族を連れて乗りに行ったが、なかなか奥深いものがありそうだ。やみくもに漕ぎ出すより、きっちりと講習を受けて練習を重ね、知識と技術を身につけなければ本当の楽しみは享受できそうにない。(そこがいい)
カヌー教室のお兄さんにも、船舶講習のオジサンにも口をすっぱくして言われた。
「はーい、力抜いて」
「だめだめ、身体の動き硬いもん。脱力してくださーい」
「肩の力抜きましょうね。とにかく脱力ですから〜」
「余計な力が入ってると身体自由に動きませんからねー」
(`口´;)げはっ!
それって俺がいつもチェロを習いに来る生徒に言ってる台詞そのまま!!
「分かってるけど脱力出来ないんだよーーー!」
人にモノを教わるのは楽しい。
いつもは教える側が多いので、久しぶりに味わう刺激的な感覚である。
小樽港の教習ではボートを操る爽快感でスピード感覚と脳内のアドレナリン抑制機能がすっかりやられて、帰りの札樽高速で覆面パトカーにスピード違反で捕まってしまった・・・。刺激もほどほどがいいのかもしれない。