2005年07月30日

グリーン楽器

隔日、つまり一日おきというのは無理があった・・・。
世の中の現実を少しは知っているアダルトしては、
『目標は低く、成果は高く』といくべきだろう。
かといって、あまり自分を甘やかすのもよくないので、
”3日に一回日記”くらいが適当かもしれない。

さて、今日の話題は野外コンサートについてである。
今日はPMFピクニックコンサートのランスルーを行った。
芸術の森の野外ステージで行なわれた。
野外コンサートは札響は20年以上前から「グリーンコンサート」
として毎年数回行っている。
そのうち札響の自主公演にあたるグリーンコンサートは
知事公館の庭での一回。あとは売りのコンサートである。

PMFピクニックはPMF主催のコンサートであり、
これも当然ながら売りのコンサートである。
指揮者、ソリスト、曲目などの企画は全てPMF側が行う。

さて、野外コンサートで演奏者泣かせなのが、主に楽器の問題である。
特に弦楽器は、湿度に極端に弱い。
高すぎる湿度や低すぎる湿度に楽器を置くと、楽器のコンディションが
悪くなるだけでなく、剥がれやひび割れなどの故障・劣化を招く。
弦楽器は当然ながら木でできており、ニカワ(動物の革や骨を溶かし
て作った接着剤)で作られている。
大切に使えば数百年の使用にも耐えるが、使い方を誤るとすぐに壊れる。

野外コンサート会場にて・・・・、
心地よい木漏れ日を浴びながら、時おりほほを撫でるそよ風を受け、
ビールやソフトクリームを片手に、オーケストラが奏でる
優雅な調べに耳を傾ける・・・・。う〜ん、マンダム。

って! 実際はこんな環境めったにありませんって!
ムシムシ暑かったり、夏だというのに寒かったり、
強風が吹いたり、、蚊に刺されたり、直射日光に耐えたり・・。
3〜4年前だったかな・・。今の立派な野外音楽堂が出来る前、
雨の中ピクニックコンサートやって、
途中からどしゃぶりになって、それでもやり続けて、
終いには、テントの天井に溜った雨水がお客さんの頭上に、一気に
ドシャーーーって落ちてきた事があった。

こんな環境に数百万円、あるいは一千万円以上する大切な楽器は
持ち出せないので、みんな野外でも惜しくない安い楽器を使う。
実際はPAが入ってスピーカーからガンガン音を鳴らすので、
上等な楽器は必要ない、ということもある。
札響の楽員たちは野外で使う楽器をグリーンコンサートで使う楽器、
名付けて”グリーン楽器”と呼ぶ。

音楽誌などで「メンテナンスさえちゃんとすれば大丈夫」という
人もごくたまに見かけるが、高温多湿な日本の夏を知らないか、
よほど主催者に気を使っているかのどちらかだろう。

天気を心配し、グリーン楽器で、譜面が風で飛ばされないように、
1ページめくるごとに洗濯ばさみで押さえ、演奏に集中するには
かなりの精神力が必要だ。

そんな野外コンサートだが、2〜3年に一度、本当に気持ちの良い
天気にあたることがある。
こんなときは、いつもお客さんに「ごめんなさい!」って思いなが
ら弾くことが多い野外コンサートなだけに、心から楽しめる。
芝生に敷物を敷いてのんびり演奏を楽しんでいる家族連れなどを
見て、平和を噛み締めることができるのだ。

1年に一度、数年に一度だけ触れるオーケストラ演奏が野外、と
いうのでは問題だが、普段オーケストラを聴いている人が年に一度
野外でオーケストラを楽しんでみるのは悪くない。
そして、野外でオーケストラに興味をもってくれたお客さんが、
演奏会場に足を運ぶようになってくれる事も目的の一つといえる。

蛇足だが、PMFピクニックで可哀想なのはアカデミー生達かな。
彼らは”グリーン楽器”など持っているはずもないので、
大切な楽器を外気にさらしているわけだ。
何とかなるなら何とかしてあげたいものだ・・・。

PMF野外





PMFピクニックのランスルーをする札響

Posted by arakihitoshi at 23:58││音楽