2006年02月10日

臭いフェチ

私は色々なものの臭いを嗅ぐのが好きである。
20才位までは、皆そうなのだと思っていたが、
手に取ったほとんどの物の臭いを嗅ぐ私の姿が可笑しいと、当時の彼女に指摘され、臭いを嗅ぐのは実は私固有の癖、趣向なのだとその時初めて知った。

先日、チェロの生徒がチェロの足に付けるゴム製のキャップを忘れて行った。
レッスン室に残されたゴムキャップに気がつき手にとって臭いを嗅いだ。
ああ、この臭いは・・・・、
私の記憶ははるか30数年前にトリップした。

昼下がり、窓から差し込む初夏の陽射しに、
ニスが剥がれ少しささくれ立った床が熱いくらいに暖まっている。
眩しさを堪え空を見あげる・・。青い空に白い雲がいくつか浮かんでいる。
隣の部屋にはまだ赤ん坊の弟がベッドで寝ているようだ・・。
飲みかけのカルピス。遠くからトントンカンカンと金槌を打つ音。
小学2年生位だった私は、当時大切にしてたいサイボーグマン人形を、
サイボーグ犬に乗せたり降ろしたり、敵のキングワルダーと組み合わせたり・・・。

そう、あのサイボーグマンのゴム製の手袋とブーツ。
サイボーグマンの身体はプラスチックで出来ており、
ちなみに全身20数ヶ所可動が売りだった。
ゴム製の手袋とブーツはプラスチックの身体に対して滑りが悪く、
小麦粉を塗って対処していたのだ。
チェロの足キャップの匂いは、サイボーグマンの手袋とブーツの匂い。

匂いというのは実に不思議だといつも思う。
完全に忘れ去ったはずの光景が、匂いとともに記憶の彼方から鮮明に蘇る。
思わず詩的になってしまうほどだ。
これが嗅がずにおられようか!。身近な物をあたり構わず嗅ぎまくりたくなる。
・・と思ってるのは私だけなんだろうか。
皆なぜ臭いを嗅がないの?。嗅ぎたくならないの? それもまた不思議だ・・・・。
ある偶然の瞬間、匂いが思いがけない時間旅行にあなたを誘ってくれる。
是非とも身近な物の臭い嗅ぎをお薦めしたい。 

以下は私の好きな匂い、嫌いな臭いの一例。

【好きな匂い】
プラスチック消しゴムの淡い匂い。
楽器屋さんから返ってきたばかりの楽器の匂い。
本の印刷の臭い。
古いお寺の匂い。
革の匂い。
すれ違いざまに香る女性の淡いシャンプーの匂い。(強すぎると、もっとすすがんかい!ゴルァ!と思う)
セメダインの匂い。
液漏れした電池の匂い。
森の匂い。
鉛筆を削った時に出る匂い。
風邪などで3日位洗えなかった時の自分の頭の臭い(ちょっと好き)。
ダンボール箱を開けた時の臭い。
カッパえびせんの封を開けた時の匂い(圧倒的)。
玉ねぎを炒めてる時の匂い。
スティックタイプの事務用糊の匂い。
タクシーの臭い(実は煙草のヤニの臭いなんだかけっこう好き)
石炭など炊いた後の煤の臭い。
土の臭い。
血の匂い。
錆とか鉄の匂い。

【嫌いな臭い】
嫌いなヤツの汗の臭い。
知らないおっさんが入った後のトイレ。(口で息したくないから仕方なく鼻で息するけどイヤ)
トイレの芳香剤の臭い
しばらく洗ってない枕カバーの臭い。
古い衣料の臭い。
匂い付きトイレットペーパーの臭い。
ジンギスカンの匂いの染みこんだ衣類の翌日の臭い。
強すぎる香水の匂い。
カビの匂い。
猫のおしっこの臭い。


どうですか?
臭い嗅ぎしたくなってきたでしょ。これであなたも臭いフェチ。
太古の記憶を呼び戻すことによりボケ防止にもなります。たぶん。
一緒にクンクンやりましょう。

Posted by arakihitoshi at 00:31│Comments(0)││雑感 

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