2006年04月04日

こんな日本にだれがした!(1)

戦前の教科書にたしかこんな文章があった。
『乃木希助将軍は家族に手紙を書こうと思いました。
あいにく乃木将軍は便箋を持っていませんでした。
目の前に軍から支給された軍用箋がありましたがそれは使わず、
部下に「君は便箋を持っていないかね?」と訊きました。
部下もあいにく便箋を持っていませんでした。
「では諦めるか」と乃木将軍は手紙を書くのを諦めました。
最後まで軍用箋には目もくれませんでした』
(うろ覚えなので固有名詞やディテールは気にしないよーに。)

言うまでもなくこの話しは、公私をきっちりと区別しなさい、公共の物を私物化
するのは泥棒ですよ。という事を教えるための道徳教育と思われる。
なぜこんな事を書き出すのかと言うと、
最近の迷惑メール、迷惑電話、迷惑オフラインメッセージに辟易しているからである。
1ヶ月ほど前だったか、1週間振りにヤフーメッセンジャーを立ち上げたら、
大量の迷惑オフラインメッセージを一度に読み込みフリーズしてしまい、
結局ヤフーメッセンジャーを再インストールするハメになった。
『だだいまこんな娘がオンライン中です。http://***.**.*』みたいな
バカとしか言いようのないオフラインメッセージがほとんど全てだった。
「管理人は”オンライン”」という私のHPのトップページにアップしてあったアイコンから、
迷惑メール用アドレス収集業者の魔の手に私のヤフーIDがかかったらしい。

迷惑電話も実に多い。
わたしは仕事柄、昼間家にいることも多いのだが、
「佐藤(←ありがちな名字)ですけど、奥さんいらっしゃいますか?」
(後ろが騒がしく明らかにキャッチセールス電話)
こういう電話は練習中でも、朝シャン中でも、トイレタイムでも前ぶれもなくかかってくる。
わたしは家人が留守の午前中にトレイで用便中にマンガ本を読むのが至福の時間なのだが、
電話のベルによって問答無用で中断され、揚げ句がこうした迷惑電話で、
こともあろうに無言でがちゃっと切られた日には・・
(ノ`口´)ノ^┻━┻ ちゃぶ台返し である。

迷惑メールに関しては説明の必要もないが、
皆さんもさぞうっとーしー思いをしていることと思う。
最近のはプロバイダーやメーラーの駆除フィルターもくぐり抜けて来るモノも多い。
『こんばんわー、こないだの合コンではあんまりお話しできなかったけど、
ホントはあたしすっごい寂しがり屋なの・・、えへっ!。プライベートのアドレス
教えちゃうからメールしてね!』
なんてのは、ありありと出会い系サイトの呼び込みメールだと分かるが、
『こんにちは、先日お話しした件です。一応下記のURLにアップしておきましたので
ご参照下さい。 http://*****.**.**』
と来ると、「?」と思いながらもURLをクリックする人はけっこういそうな気がする。

いずれにせよこういうメールの送り主は、自分が小金を稼げればそれでいい。
他人が迷惑しようがカンケー無い。騙されるヤツが悪い、ということなのだろう。
しかし、仮に法律に触れていなくても、その根性は”泥棒”と全く変わりない。
泥棒はいけないという当然のルールが当然ではなくなったと思うしかない。

こうした社会を少しでも改善するには、前述の教科書の様な公私の区別や善悪の
分別を教える道徳教育を、学校と言わず家庭と言わず
教育の中心に据える必要があるのではないだろうか。
わたしも子育ての真っ最中であるが、善悪とは人間が先天的に与えられている感覚
によって得られるものではなく、やはり大部分は教育によって育てられるものだと思う。
たった一枚の便箋とて私用に使わない乃木将軍の精神はあっぱれである。という事だ。

こういう話しをすると「軍国主義教育」とか「右翼的」と
違和感を感じる人がいるのも知っている。
そういう時は文章の単語を少し置き換えるだけでオッケーである。

『労働者階級のミカエロフ君は家族に手紙を書こうと思いました。
あいにくミカエロフ君は便箋を持っていませんでした。
目の前に党から支給された人民箋がありましたがそれは使わず、
同僚労働者に「同志は便箋を持っていないかね?」と訊きました。
同僚労働者もあいにく便箋を持っていませんでした。
「では諦めるか」とミカエロフ君は手紙を書くのを諦めました。
最後まで人民箋には目もくれませんでした』

ね。たちまち真っ赤に染まるでしょ?

Posted by arakihitoshi at 01:18│Comments(0)││雑感 

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