2006年05月13日

背中

酷い寝違えで昨日から首が周らない。
左右上下両斜め、六方向どこに動かしても激痛が走る。
昨日の朝から頭の中は寝違いで一杯である。
何をやっても上手くいかない。
お茶はこぼすしシャープやフラットは落とす。
こういう時こそ、どこも痛くない健康のありがたさを"痛感"する。

今日は仕事帰りに職場の友人が進めてくれた「手もみマッサージ」に寄った。
お蔭でだいぶ楽になった。
マッサージ師曰く、痛いところだけではなく背中全体を揉むのがいいらしい。
「お客さん、ものすごいこってますよ」・・・。
親しい美容師の談であるが、この台詞は決まり文句らしい。
「こってますね」の台詞から、
「いや〜、最近仕事が忙しくてね」
と会話が繋がるのだそうだ。
「お客さん、全然こってませんね」と言われたら、
「オマエに何がわかる!」と、確かにあまり良い気持ちはしないだろう。

そんなわけで、
今日は「こってますね」の台詞と、背中全体のマッサージで
心身ともに気持ちよくなって帰路に着いた。

さて、背中といえば、
昨日は「厚生年金会館・存続チャリティーコンサート」なる演奏会で、
札響は厚生年金会館で北海道出身の歌手の伴奏をしていた。
大黒摩季や大橋純子、サーカスなどが出演した。
特に大橋純子の「たそがれマイ・ラブ」、「シルエット・ロマンス」は
懐かしかったし、歌も素晴らしく上手で実に良かった。
大黒摩季もハスキーで元気で性格良さそうで魅力的だった。

最近、ポピュラー歌手の伴奏という仕事が多い。
オケの一員として歌手の背中を間近に見ながら伴奏すると、
彼らが聴衆の注目を一身に集め、重圧に耐えながら歌っているのがよく分かる。
客席のいる前に向かって100%演じるその背中は、実はガラ空きなのだ。

同じ舞台に立つ人間の端くれとして、
彼らが聴衆の重圧に押しつぶされそうになっているのか、跳ね返そうとしているのか、
あるいは楽しんでしまっている猛者なのか・・・。
延いては歩んできた人生や、性格までもが背中から透けて見えてしまう気がするのだ。

自分の身に置き換えて考えるのは難しいが、
寝違えで辛い首をさすりながら、
そんなことに思いをめぐらせながら弾いた演奏会であった。

Posted by arakihitoshi at 00:23│Comments(2)││音楽 | 雑感
この記事へのコメント
5
ここって、コメント書けるんですのね。
今日のは名文でございました。
思わず、唸ってしまいました。
首の回り加減はいかがかしら?
お気をつけあそばせ。
Posted by あやこ at 2006年05月13日 06:09
5
あやこお嬢様からの久々のお褒めのお言葉・・。
このA木、1年ぶりに目頭を熱くいたしました。
Posted by A木 at 2006年05月13日 09:01

コメントする

名前
 
  絵文字