酷い寝違えで昨日から首が周らない。
左右上下両斜め、六方向どこに動かしても激痛が走る。
昨日の朝から頭の中は寝違いで一杯である。
何をやっても上手くいかない。
お茶はこぼすしシャープやフラットは落とす。
こういう時こそ、どこも痛くない健康のありがたさを"痛感"する。
今日は仕事帰りに職場の友人が進めてくれた「手もみマッサージ」に寄った。
お蔭でだいぶ楽になった。
マッサージ師曰く、痛いところだけではなく背中全体を揉むのがいいらしい。
「お客さん、ものすごいこってますよ」・・・。
親しい美容師の談であるが、この台詞は決まり文句らしい。
「こってますね」の台詞から、
「いや〜、最近仕事が忙しくてね」
と会話が繋がるのだそうだ。
「お客さん、全然こってませんね」と言われたら、
「オマエに何がわかる!」と、確かにあまり良い気持ちはしないだろう。
そんなわけで、
今日は「こってますね」の台詞と、背中全体のマッサージで
心身ともに気持ちよくなって帰路に着いた。
さて、背中といえば、
昨日は「厚生年金会館・存続チャリティーコンサート」なる演奏会で、
札響は厚生年金会館で北海道出身の歌手の伴奏をしていた。
大黒摩季や大橋純子、サーカスなどが出演した。
特に大橋純子の「たそがれマイ・ラブ」、「シルエット・ロマンス」は
懐かしかったし、歌も素晴らしく上手で実に良かった。
大黒摩季もハスキーで元気で性格良さそうで魅力的だった。
最近、ポピュラー歌手の伴奏という仕事が多い。
オケの一員として歌手の背中を間近に見ながら伴奏すると、
彼らが聴衆の注目を一身に集め、重圧に耐えながら歌っているのがよく分かる。
客席のいる前に向かって100%演じるその背中は、実はガラ空きなのだ。
同じ舞台に立つ人間の端くれとして、
彼らが聴衆の重圧に押しつぶされそうになっているのか、跳ね返そうとしているのか、
あるいは楽しんでしまっている猛者なのか・・・。
延いては歩んできた人生や、性格までもが背中から透けて見えてしまう気がするのだ。
自分の身に置き換えて考えるのは難しいが、
寝違えで辛い首をさすりながら、
そんなことに思いをめぐらせながら弾いた演奏会であった。