2006年08月17日

【自由研究】モーツァルトの秘密【夏休み】

最近の小学校というのは、こうも親の手を煩わせるのか。
プライベートなネタで恐縮だが、今回は私の小学1年生の娘の話である。

娘が小学校に上がってから、家庭内で学校関係の雑用がやたらと多くなった。
給食用のエプロンと三角頭巾の洗濯、
ハンカチ、塵紙、ナプキンを持参させること、
毎日の宿題、
まあ、こういう事は昔からあるからいい。
一番閉口するのが、図画工作などに使う素材を持たせる事だ。
曰く、3日後までにマヨネーズの空き容器を持ってこい。
曰く、新聞に挟まっているチラシを丸めて棒状の物を持ってこい(詳細なし)
曰く、ペットボトル(炭酸水などに使われる柔らかいもの)を持ってこい。
曰く、三角に縫った布(詳細なし)を持ってこい。
などなど・・・・・

こういった司令が、目的など詳しい説明を欠いた非常に分かりにくいプリントで伝えられる。
「あのですな〜、児童が自ら用意できないものは使わないか、もしくは教材として学校で配布していただけませんか?」と言いたいのを堪えて結局は親が用意することになる。
一方で、日々配られる算数や国語のプリントは、昔は先生が手書きで書いたものをわら半紙にガリ版で刷ったものが配布されものたが、今は業社製と思しき厚手のケント紙にカラーで印刷されたものが配られている。
観察用の朝顔の蔓が這う棒は、昔は竹棒に針金で自作したが、今は立派なプラスチック製の既製品が配布される。

少子化で余りあまっている文科省や自治体の予算を無理に使い切ろうとしてませんか?、と疑いたくなるほど豪華な教材が惜し気もなく与えられる一方で、
「マヨネーズの空き容器持ってこい・・・」
「あのですな〜〜、私にマヨネーズ一気飲みしろとでも?」
という現実もあるのだ。
ある程度手がかかるように設定して、親の教育参画を促す狙いがあるのか?
だとしたらサービス過剰である。

さて、夏休みも予想通り沢山の宿題や日課課題を持ち帰ってきた。
お手伝い自己評価プリント(青・黄・赤でその日の家庭への貢献度を総括する)
”めあて”達成度自己評価プリント(だいたい同じ)
朝顔観察プリント
絵日記(自由研究)
算数・国語のドリル
作曲(自由研究)

こうした課題もある程度は必要だが、小学1年生には多すぎないか?と思いながら手伝う。
自由研究の”作曲”の手伝い風景いはこんな感じだ。
娘が行っているピアノ教室でハ長調、ト長調、ヘ長調の和音が出てきたのを知っていた。
なので娘がピアノに向かって作曲と称して適当に弾いた音列をそれとなくハ長調に移調させる。
「なんか伴奏も付けたくなっちゃったね〜」と言ってドミソの三和音を一緒に弾かせる。
「綺麗だね〜〜」と言いながら、
「他に・・、なんだっけト長調の和音も習ったよね」と言いながらト長調に転調させる。
そして「この曲は何調? そう。ハ長調の曲はドで終わるんだよね」と言って強引にハ長調に解決させて作曲終了。

そんな茶番を演じながらふと思った。
4歳でピアノソナタを作曲し、9歳で交響曲を作曲した(だっけ?)モーツァルトの作曲風景。
昔から疑問に思っていたのだが、いくらモーツァルトが天才でも読み書きも満足にできないガキンチョがソナタを作曲?? 
読み書きは出来なくても和声や対位法やソナタ形式は知っていたとでも?、という事になる。

そう、「4歳で作曲したモーツァルト=天才」という固定観念ですっかり思考停止していたとしか思えない。なんで今まで気がつかなかったんだろう・・。
あれら幼児期に作曲された曲たちは、実はレオポルトが実質作曲したのだろう・・、そうだ。そうに違いない。

「そうだ。アマデウス。綺麗な響きだね〜」
「うん、パパ。次ぎはこんな感じかな・・・
「それはちょっと違うね。この方が良くないかい?」
「うん、そうだね。」
という作為的ながらも微笑ましいモーツァルト親子の作曲風景が目に見えるようではないか!

これで少し枕を高くして寝られるよ。


※この物語はフィクションです。学校に対する抗議等ではありません(汗)

Posted by arakihitoshi at 01:33│Comments(5)││音楽 
この記事へのコメント
モーツァルト父子にも、たぶんにそういうとこ、あったのでしょうね。最初の何年間は。
モーツァルトと比較するつもりは毛頭ないですが(念のため)、某楽器店の教室に通う息子のオリジナルコンサートの自作(!)の曲にも先生の手がかなり入っていました。

でも、管理人様のお父様ぶり、レオポルトに迫る丁寧なものとうかがえました。夏休み限定でしょうか(笑)?
Posted by 熊母 at 2006年08月22日 08:10
レオポルドに迫るなんざ・・。ぶるぶるっ! とんでもねぇことでごぜぇますだ!

ところで、ウチの子が通ってる某楽器店の音楽教室の幼児クラスの教え方は「?」な事もたまにあるのですが、こと和音に関しては「?」が三つくらいつきます。
例えば、ハ長調の和音を教えるのに、ド・ミ・ソの主要三和音ともうひとつは属七の和音のしかも展開形、シ・ファ・ソを教えるんです。
この二つをもって「ハ長調の和音です」って言うのです。
これっていかがなもんでしょう。クラシックっていうよりエレクトーンでカジュアル音楽、っていう感じなんでしょうか・・。

熊母息子さんの所はどうでした?
Posted by あらき at 2006年08月26日 00:31
こんにちわ!お久しぶりです。
日記を拝見して、なるほどーと思うことがあってお邪魔させて
もらいました。
ハ長調の和音をドミソとシファソって教えられるのですね。
無理矢理な感じが感じがしますが
理屈で理解するにはまだ難しい幼児には
こうやったらなんとなくすっきり終われる〜みたいな
終止形の感覚を体に覚えこませるみたいな感じなのでしょうか。

でもでもね、たまに明らかにハ長調の曲を弾いていて
最後がミソシーやらファラドーやらで終わって自分のミスに
気付かない子もいたりするのです。
なんでシファソの次がミソシで終わって違和感を持たないんだ!!
と思うこともあるので、少なくともその予防にはなるのかもと
思ったり・・
Posted by ゆきか at 2006年08月30日 12:02
こんばんは。
今日は札響の大平まゆみさんと私の姉貴分大平由美子の大平シスターズリサイタルに行ってきました。素敵でした♪

熊息子の和声第一歩はやはり管理人殿のお嬢様と同じ、ハ長調の主和音基本形と属七の第一展開形でしたね。
熊息子はただいま小3になり、さすがにいろいろな和声を習ってはいるものの、どこまで頭で理解しているかとなるとかなり怪しいです。
体系的に教わってきてるというより、グレード試験をこなすために(ゆきかさんのおっしゃるように)終止形の感覚をまず覚えさせたいという意図があるのだろうなと推測します。ずっと続けていればいつかは必要なことをみんな教わり、結びつくのでしょうか。遠大な計画です(@_@)
Posted by 熊母 at 2006年08月31日 02:20
でも、属和音の基本形は弾くときに手を移動しなくてはいけないので避けるとして、第一展開形シレソなら教わってもいいのに。。。。
幼児科で教わる曲のメロディーの結びがレレドやミレドやファレドだからレが重ならないように、ということで属七ということなのでショウカ。
Posted by 熊母 at 2006年08月31日 15:21

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