クラシック音楽業界はこの時期とにかく忙しい。
”芸術の秋”。
平たく言えば、”稼ぎ時”という事である。
次々に押し寄せる演奏会、原稿書きなんかの副業、事務仕事、ジム仕事。諸々の雑用に追われる。そんなわけでなかなか更新もできない。
第九が終われば一段落。
9月〜12月が繁忙期。1月〜6月が閑散期。と敢えて言えばそういうことになる。
今日は11月定期の1日目の本番であった。
エマニュエル・パユのフルートでイベールのフルートコンチェルト、モーツァルトの「アンダンテ」という小品。そしてマーラーの5番。
パユのフルートは音はデカく、たゆみなく、テクニックは完璧、歌に充ちており本気で感動した。
それにしても、物心ついたころから天才の名を欲しいままにし、世界中訪れる全ての場所で惜しみない賞賛を浴びる日々・・、そんな人生とは一体いかなるものなのか。
先月のバボラークといい、そんな事をぼ〜〜〜っと考えながら伴奏していた。
パユは練習中も常に紳士的で、楽員たちとも屈託なく交わり、本当に性格もいいなだな〜。
ルックスもメンズ・ノンノに出てもいいくらいカッコいいし。追っかけも沢山いるみたいだし。天は何物を彼に与えたのだろうか。
「ふん・・、天才、天才と言ったところで腹出てきてるじゃね〜か。悔しかったらジム通ってみろ」と悔し紛れに心の中で毒づくのが関の山である。
さて、話しは変わるが、このたびノンノン・マリア弦楽四重奏団で札幌市文化奨励賞という実に立派な賞をいただいた。
今日の午前中はその授賞式であった。
札響くらぶ会長で札幌市長でもある上田文雄さんから賞状と副賞を頂いた。
上田会長とは演奏会場はもとより、動物園などでも最近よくお会いする。
市議会議長やその他多くの立派な方々が参列する予想外に立派な式典であった。
受賞者挨拶というのがあって、アワアワしながら挨拶を考えて何とか喋った。
副賞は賞金10万円で、絢爛豪華な水引の付いた「副賞」と書いた封筒の中に、それはそれは立派な和紙に認められた目録が折り畳んで入っていた。実際のお金は銀行振り込みである。
いままで他人がもらう立派な水引封筒の中身が何となく気になっていたがこういう事だったのか。開ける時は神社のお守りの中身を暴くような、軽い興奮を覚えた。
挨拶では「ノンノン・マリア」の由来や、受賞理由の一つであった”社会貢献”は、今回賞を頂いたノンノン・マリアとトリオ・ダンシュだけでなく、ほとんど全ての札響楽員が取り組んでおり、大きな励みとなりました。と、お話しさせていただいた。
天才の名を欲しいままにするのは羨ましいが、市井の音楽家も悪くはない。と思った。
さて、明日もマラ5。
この曲は難曲中の難曲だが、大ソロのあるトランペットやホルンは別として、チェロが取り分け大変な曲である(と思う)。
東京公演2回を合せてあと3回。
明日にそなえて今日はもう寝ます。
おやすみなさい。