本当に久しぶりの更新である。こんなに更新しなかったのはブログ開設以来・・、いや、HP開設以来ではなかろうか。
1ヶ月半ぶりにブログを置いてあるライブドアのページにアクセスしたら、「ようこそゲストさん」と言われてしまった・・。「オマエ誰だっけ」(意訳)ということか。
この2ヶ月間はただでさえ札響の仕事が忙しい時期に加え、家の新築にまつわる諸々の雑事で、私の人生でも有数のテンパった状態であった。
しかし、色々と社会勉強になった。
家の新築にまつわる諸々の雑事とは、工務店や設計士との打ちあわせに始り、銀行ローンの手続き各種、以前住んでいたマンションの売買、借家からの引っ越し、それと以前も書いたが登記各種などである。
薄々感じてはいたが、通常は銀行や不動産屋などに言われるがままに行うしかないこれら雑多な作業には、非常に無駄が多いことに改めて気が付いた。
「念のため」という本来不必要な理由のために、しなくても良い作業に振り回され、払わなくても良いお金を払っている場合が少なからずある。
一例を挙げると、銀行ローンの手続きのなかで、家が建っている土地(この土地はローンの担保になる)の地目が”山林”になっているので”宅地”に変更して欲しいと銀行が言う。地目を変更するには当然そのための登記が必要になり、司法書士に代行を依頼すれば数万円の手数料が必要になる。
しかし、地目が”山林”だろうと””原野”だろうと住宅が建っていればそれは”宅地”である。
その旨告げると銀行は「分かりました。なんとかします」と言う。「なんとかなるなら最初から言うなよ」、と思うのだが・・。
実は昨年9月に1級小型船舶免許を取得してからすっかり受験勉強が面白くなり、家の建てかえなどもあり、宅地建物取引主任者(宅建)の資格を取るべく勉強を初めていた。それが今回とても役にたった。
めざせ資格マニアへの道! と笑われそうではあるが・・。
しかしながら、今回はプライベートとはいえ、いささか忙しすぎた。
お金や契約などに関る実社会的な事に頭を使いすぎるのは、音楽を演奏したり文章を書いたりするクリエィティブというと偉そうだが、少なくとも形而上的な脳の活動に必ずしもプラスにはならないかもしれない。
芸術脳と実務脳の非対称性について痛感したのは今回が始めてではない。数年前の札響経営破綻の折り、休眠していた左脳をフル活動させて財務諸表を読み込んだり、楽員参加の企画会議や理事さんたちとの会合、マスコミ対策に追われたあの日々も、演奏する前に実務脳から芸術脳への切り替え作業を行う必要があった。
だがしかし、”過ぎ”は確かに良くないが、バランスさえ保てば演奏にとっても良い刺激になる・・、と信じることにしよう。
実務家が音楽に触れて豊かな人生を送るように、音楽家も実務に触れて充実した人生を送りたいものだ。