2008年02月07日

芸術脳とか言う。

本当に久しぶりの更新である。こんなに更新しなかったのはブログ開設以来・・、いや、HP開設以来ではなかろうか。
1ヶ月半ぶりにブログを置いてあるライブドアのページにアクセスしたら、「ようこそゲストさん」と言われてしまった・・。「オマエ誰だっけ」(意訳)ということか。


この2ヶ月間はただでさえ札響の仕事が忙しい時期に加え、家の新築にまつわる諸々の雑事で、私の人生でも有数のテンパった状態であった。

しかし、色々と社会勉強になった。
家の新築にまつわる諸々の雑事とは、工務店や設計士との打ちあわせに始り、銀行ローンの手続き各種、以前住んでいたマンションの売買、借家からの引っ越し、それと以前も書いたが登記各種などである。

薄々感じてはいたが、通常は銀行や不動産屋などに言われるがままに行うしかないこれら雑多な作業には、非常に無駄が多いことに改めて気が付いた。
「念のため」という本来不必要な理由のために、しなくても良い作業に振り回され、払わなくても良いお金を払っている場合が少なからずある。
一例を挙げると、銀行ローンの手続きのなかで、家が建っている土地(この土地はローンの担保になる)の地目が”山林”になっているので”宅地”に変更して欲しいと銀行が言う。地目を変更するには当然そのための登記が必要になり、司法書士に代行を依頼すれば数万円の手数料が必要になる。
しかし、地目が”山林”だろうと””原野”だろうと住宅が建っていればそれは”宅地”である。
その旨告げると銀行は「分かりました。なんとかします」と言う。「なんとかなるなら最初から言うなよ」、と思うのだが・・。

実は昨年9月に1級小型船舶免許を取得してからすっかり受験勉強が面白くなり、家の建てかえなどもあり、宅地建物取引主任者(宅建)の資格を取るべく勉強を初めていた。それが今回とても役にたった。
めざせ資格マニアへの道! と笑われそうではあるが・・。


しかしながら、今回はプライベートとはいえ、いささか忙しすぎた。
お金や契約などに関る実社会的な事に頭を使いすぎるのは、音楽を演奏したり文章を書いたりするクリエィティブというと偉そうだが、少なくとも形而上的な脳の活動に必ずしもプラスにはならないかもしれない。
芸術脳と実務脳の非対称性について痛感したのは今回が始めてではない。数年前の札響経営破綻の折り、休眠していた左脳をフル活動させて財務諸表を読み込んだり、楽員参加の企画会議や理事さんたちとの会合、マスコミ対策に追われたあの日々も、演奏する前に実務脳から芸術脳への切り替え作業を行う必要があった。

だがしかし、”過ぎ”は確かに良くないが、バランスさえ保てば演奏にとっても良い刺激になる・・、と信じることにしよう。
実務家が音楽に触れて豊かな人生を送るように、音楽家も実務に触れて充実した人生を送りたいものだ。

Posted by arakihitoshi at 00:11│Comments(4)││雑感 
この記事へのコメント
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ご新築、お引越し、おめでとうございました。自力での登記も、なさったのでしたよね、確か・・・敬服いたします。

船舶のあとに勉強をなさっていたものは、宅建だったのですね、ナルホド、それで合点がいきます。

実務脳と芸術脳・・・やはり両立、むずかしいですよね。これ、私の最大の人生への言い訳。大学で、進路(とりわけ受験とか進路決定とか)のことがあった時にオーケストラで練習漬けになっていたので、ダメでした・・・・と言い訳したいです。でも、当時一緒にオーケストラやっていた人たち、両立して現在実務または学問で出世した人も多く、その一部は社会人オーケストラもやっておられて・・・・できる人は結局なんでもできる、ダメは人は何やってもダメかもしれない。私は後者か・・・トホホ

Posted by 関東より at 2008年02月08日 17:54
書込みありがとうございます。
宅建の勉強、宅建法だけじゃなくて権利関係など契約に関る民法など多岐に渡っていてなかなか面白いです。
合格率15〜6%だそうなので、真面目にやらないと落ちそうです。

実務脳と芸術脳の両立は確かに難しそうです。両立と考えずに切り替えと考えたらどうだろうか・・、などと試行錯誤中です。
ただしどちらも中途半端にならないように精進精進・・・。お互い頑張りましょう。
Posted by あらき at 2008年02月08日 23:22
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あらき様、はじめてコメントさせて頂きます、某ブラスバンドのhr吹きです。今度の定期演奏会ではお世話になります。

私の場合は、仕事と音楽があってこそ精神のバランスが取れるような気がしています。ただ切り替えと両立はやはり難しいのですが…。

仕事で経験したことが音楽の世界で生かされたり(演奏会のポスター制作は仕事の延長です^^;)その逆もあったりと、どこで何がどう繋がっているかわからないものだと実感するのも楽しいものです。

以前は音楽家の方は実務とは無縁のような気がしていましたが、そうではないようですね。
やはりどこかで脳がバランスを取ろうとしているのでしょうか。
気になるところです。
Posted by tao at 2008年02月09日 00:28
お世話になってます>taoさん

音楽家にもいろいろいて、音楽だけという人も多いです。(そういうタイプの方が多いかな?)
”ひとつの事にだけ打ち込む”という姿も美しいのですが、色々な事に取りくんでいる姿も深みがあっていいように思います。

とどのつまりは”人それぞれ”という事になるのでしょうか・・・。
Posted by あらき at 2008年02月10日 00:24

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