2008年08月09日

天気晴朗なれど風強し・・

今日は知事公館で札響グリーンコンサートがあった。

知事公館でのグリーンコンサートは久しぶりである。以前は毎年やっていたが、今回はたしか7〜8年ぶりである。野外演奏会30回記念(実際はもっともっと沢山やっているが、自主公演の野外コンサートが30回ってことなの・・・かな?)でホクレン主催で開催された。
開演時に2000人以上のお客さんがいて、どんどん増えていたので終演時にはざっと2500〜600人は来ていただいたように見えた。

尾高さんの指揮でフォスターやアンダーソンの名曲、アニメメドレー、そして「宇宙戦艦ヤマト」などが演奏された。
ついに尾高さんがヤマトを振ったか・・、という感慨もひとしおだが、それとは別に
宇宙戦艦ヤマトの曲を聞くと私は世代的に萌えに萌える。

♪銀河をこえて〜 イスカンダルに〜〜〜 は〜るば〜〜〜るのぞむ〜〜〜〜〜
宇ッ宙戦艦 ヤーーチャン マーーチャン
テッテッテテーーーテテテテッテテーー

上の歌詞のチャンの部分を弾く時は、おもわず顔がにやけてしまう・・(笑)

今日は実にすがすがしい晴天で、湿度も低く久々の北海道的な夏の日であった。
ただし風がとても強かった。
風で飛ばされそうになる譜面を押さえるのが大変だった。

『晴朗なれど浪高し・・・、じゃなくて風強し』
「ヤマト」を演奏するには雰囲気ピッタリのお日和りであった。

TVで松本零士がヤマトの曲について語っていたのを見たことがある。
ヤマト映画化にあたって、ヤマトを描いていたときによく聴いていたベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」の第2楽章(葬送行進曲)みたいな曲を書いてほしい、と宮川泰さんに頼んだそうだ。
出来上がった曲に非常に満足した、というエピソードだった。
そう言われてみると、女声のスキャットの入っているテーマ曲や白色彗星のテーマは「英雄」の第2楽章のオマージュとして書かれたとしても納得できる。それにしても素晴らしい出来栄えだと思う。

ヤマトのTV放映が始まったのが1974年なので、小学4年生の私はあまり記憶がない。
第1作目の映画が公開された1977年は私は小学6年生で映画館に行き一気にヤマトに夢中になった。日本中がヤマトブームであった。
鹿児島沖に沈んだ日本海軍の「大和」は”1億総特攻のさきがけ”として悲愴な最期を遂げたわけだが、地球防衛軍連合宇宙艦隊の「ヤマト」は”必ずここに帰ってくる”と凱旋を約束した出撃であった。
実際、ヤマト最大の見せ場はあの一撃必殺、無敵の最終兵器”波動砲”の発射シーンであろう。

実際の大和の歴史において、
もしレイテ沖会戦で僚艦武蔵が沈まなかったら・・・
そして大和の世界最大の46センチ主砲がドッカンドッカン火を噴いていたら・・・

そういうことは誰でもが想像すると思う。

宇宙戦艦ヤマトにおいて、
あの東郷平八郎似の沖田艦長が、「古ぁ代ぃ〜、波動砲だぁ!」と帽子のツバから片目だけ見せて叫び、
古代が、「波動砲発射10秒前ッ! 対ショック 対閃光防御ォッ!」
「10・9・8・7・・・・」
「波動砲ぉ 発射!!」

ドガガガガーーーーーーー

すると憎たらしいガミラスの奴らが驚きの表情とともに
「ぎえ〜〜〜〜」と叫び声も半ばに波動砲の閃光に飲まれて宇宙の闇に消えていくーー!

「そう!! これだよ!!これ!! この時を半世紀待っていたのだよ!!」

という爽快感である。



その翌年。
すっかりアニメ少年になった中学1年生の私は、ヤマトや森雪やメーテルのセル画をせっせと書いてはクラスの友人たちに1枚500円で売っていた。
当時はセル画を書く道具は東映の支社に行かないと売ってなくて描けるヤツもいなかったので、見よう見まねで描いた私のセル画でも飛ぶように売れた。

「さらば宇宙戦艦ヤマト」が公開されたのはその年である。
当然、私はヤマトに少年兵として志願して乗り組んだ。
凱旋を約束して旅だった前回の戦いと違い、今回は日本海軍の「大和」同様、特効作戦であった。
ご存じ、森雪の亡骸を抱いて一人ヤマトに残り、白色彗星に向かってゆく古代・・・、あのシーンに涙が止らなかったのであった。
私は島大介らと救命艇でヤマトを後にしたわけだが、実際のヤマトに乗り組み、白色彗星帝国との死闘で多くの将兵が負傷し死んでいくのを見た私にとって、その後のヤマトの続編は実に興を削ぐものがあった。

「あの時死んだのはナシね」がアリなら何でもアリじゃん・・、と思うのだ。
私のなかのヤマトは「さらば・・」で終わっているのである。


映画「宇宙戦艦ヤマト」と「さらば宇宙戦艦ヤマト」の2編は大人の鑑賞にも耐えうる名作だと思う。
実際の大和の歴史が背景にあることもそうだし、そしてここでも「名作に名曲あり」の言葉を思い出す。

そんなことを考えながら演奏した今日の野外コンサートであった。


<参考資料>
波動砲発射シーン詰め合わせ(You Tube)

Posted by arakihitoshi at 23:22│Comments(11)││音楽 | 雑感
この記事へのコメント
今日はホントに風が強かったですね〜!
ちょうどステージの屋根の上に
←これっくらいの白いお月さまが見えてました。

楽しかったです
尾高さんの後姿もノリノリでしたね

今月はこれ以外にコンサートを聴く予定がなくヒマです
でも9月からは、また忙しい予定です!?
Posted by Traviata at 2008年08月10日 01:55
映画「宇宙戦艦ヤマト」と「さらば宇宙戦艦ヤマト」の2編は素晴らしいと思います。さらばは確か、中学2年生の時、帰省先の盛岡の映画館で観ました。立ち見だったなあ。泣きましたよ。音楽的にも本当にいいですよね。両方の映画のサントラ盤かなにかのレコードは、何回も何回も聴きました。さらばの白色彗星の曲は、パイプオルガンを使い、衝撃的でした。その頃からクラシック音楽も好きになっていったと思います。そういった意味でも、私の人生にいろいろ影響を及ぼしております。
Posted by 横尾 順 at 2008年08月10日 10:13
Traviataさん>
月きれいでしたね。昨日の青空はとても青が深くて、半月が映えてましたね。SF映画の月みたいでした。
9月はピーターグライムスもあるし忙しいですよ(^^)。

横尾さん>
わたしもヤマトのサントラ買って繰り返し聴きました。
今でも捨てられずに数々の引越を勝ち抜いて私のレコード棚に収まってます。白色彗星を大音量で聴いたりしてました。
久しぶりに聴いてみようかな・・
Posted by あらき at 2008年08月10日 17:32
知事公館おつかれさまでござりんすた。いい風でしたねぇぇ〜〜ノノ(ノ°°)ノウォウ
ヤマトは本放送よりも再放送の時に、うちのクラスっていうか先生たちまでまきこんで学校中で大ブレイクしてましたわ。…欲を言えばムード歌謡「真赤なスカーフ」も聴きたかったですのぉ〜(^^;)はい、サントラ盤とか交響組曲とか、うちにもレコードがありもっそ。沢田研二の「ヤマトより愛をこめて」のシングルももっておりもす。
…キタラのパイプオルガンで白色彗星帝国のテーマ、聴いてみたいっすね…。
Posted by ごまふ at 2008年08月10日 20:47
たしかにムード歌謡(笑) >赤いスカーフ 
シンフォニックな本編の曲たちはカッコイイのに、な〜んか違和感ありました。当時から・・。

白色彗星は記憶の中でド迫力のパイプオルガンになってるけど、記憶を辿るとビリビリ音の非力なパイプオルガン風電子音だったような気もします。
やはり確かめてみねば・・・・
Posted by あらき at 2008年08月10日 21:25
肝心な話題を書き忘れました。

合唱仲間と一緒に聴きに行ったのですが
今回のプログラムはほとんどが歌詞のある曲だったので
「合唱付きで聴きたかったよね〜〜〜」
「できれば一緒に歌いたかったね〜〜〜」と話しておりました。

なので、次回のこーゆープログラムのときはぜひ!
札響合唱団の歌付きでお願いします

学生時代の愛唱曲集に「ヤマト」の男声四部合唱バージョンの
楽譜がありますので…
ぜひ聴きたいです
Posted by Traviata at 2008年08月10日 22:15
私もヤマト大好き。
カラオケでスキャット不意打ちすると大概みんな感動してくれて大盛り上がり。
日本音楽史上に燦然と輝く名曲ですよね。
あー 歌いたい。
Posted by みちこ at 2008年08月11日 21:03
「ヤマト」の男声合唱、ありましたね。厳かな感じのやつ。
よく戦いが終わったあとの、宇宙船の残骸なんかが浮かんでる宇宙のシーンとかでかかってたような・・。


スキャット不意打ち(`▽´) >うんうん。あれはえかった。強烈でした。
歌いたいねーー。日本の夏と言えばカラオケ。
ビールが一番おいしい季節が終わらないうちに行こう! (`□´)/オー!!
Posted by あらき at 2008年08月11日 22:31
私がよく聴いていたのは交響組曲宇宙戦艦ヤマトとさらば宇宙戦艦ヤマトだったかなあ。男声合唱も入っていたし、女性スキャットも入っていたし…。まだCDとかで手に入るかなあ。定期演奏会も良いですが、こういう演奏会も聴いてみたいですね。
Posted by 横尾 順 at 2008年08月13日 00:02
ガミラスの巨大ミサイルを主砲の初撃ちで一蹴した後、ヤマトが初めて
地球を離れるときの心躍る音楽があるでしょ。
あれ聴くと今でも30年前の夏を、初めて劇場版映画になったヤマトを
今は亡き狸小路の帝国座で見た暑かった夏休みを鮮やかに思い出すんですよ。
劇場を出たら雨上がりだったなぁ・・・なんて。
Posted by AS at 2008年08月15日 23:06
>ガミラスの巨大ミサイルを主砲の初撃ちで一蹴した後、ヤマトが初めて
>地球を離れるときの心躍る音楽

わかりますわかります!。あれですね。
沖田艦長が敵を引き付けて引き付けて、やっと発射の命令を出すシーンは日本海海戦のT字戦法みたいで感動します。

狸小路の帝国座ですか・・。沖田艦長じゃなくても「何もかもみな懐かしい」ですな〜
Posted by あらき at 2008年08月15日 23:21

コメントする

名前
 
  絵文字