2008年09月07日

恐怖のステレオおやじ 【15】

【ご説明】
話しの中に登場するマンションに現在私は住んでおりません。今は一戸建に平和に暮らしております。レッスンご希望の方はご安心ください(^_^;)。



前回からのつづきです。


さて、この頃はステレオおやじにクレームを付けられるのも嫌ですし、総会でステレオおやじの騒音を糾弾するためにも、マンションでのレッスンを一切やめていました。
新規の生徒はほとんど取っていませんでしたし、レッスンも出稽古と札響の練習場がある芸術の森の小練習室を時間借りしてやっていました。
非常に不便でしたし収入にも影響がありました。
しかし、いつステレオおやじが苦情を言いに来るか分からない状況ではおちおちレッスンをしていられません。腹が立ちますが仕方ないです。


前回、Kさんの話してくれた盗撮事件はショックでしたが、その後いろいろ調べたのですが、盗撮盗聴それ自体を取り締まる法律はないそうです。
女性のスカートの中を盗撮したら迷惑条例違反とか、盗撮のために壁に穴を空けたら器物破損とか、会社に盗聴器を仕掛けたら背任とかありますが、Kさんの部屋に向かってビデオを回していたことがはたして犯罪になるのかは微妙です。たぶんならない気がします。
ステレオおやじはその辺の法律知識もあるのかもしれません。


それにしても、ステレオおやじはなぜ他人に対してこれほどまで執拗に厳しいのか。
貼り紙をしたり苦情を言ったりするのは普通の神経の人間にとって決心と勇気のいる行為です。
苦情を言う方も痛みを伴いますし、愉快なことではありません。
相手の行動によってよほど自分が困っているか、あるいは良心に照らして到底看過しがたい行為を相手が行っているか。
いずれの場合も、苦情を言いつづけるには相当なパワーが必要だと思います。

私だけではなく、Kさんや引っ越していったN島さんや、その他にもステレオおやじの攻撃を受けつづけた人は何人もいます。
私と違いKさんは住んでいる棟も違いますし、普通に暮らしていればステレオおやじはKさんと接する事もないでしょうし、ましてKさんが犬を飼っていることでステレオおやじに実害が及ぶとも思えません。
なのに何故それほどまでに労を惜しまず攻撃しつづけられるのか・・。
私にはまったく理解できませんでした。

敢えて想像するなら、あのマンションを偏愛していたから、わずかな規約違反も許せなかった?、住人のモラルの低下はマンションの資産価値を落とす?
動機として思いつくのはそんなところでしょうか。
近隣のマンションにも聞える偏屈おやじの存在のほうがよほどマンションの資産価値を落とすと思うのですが。


前にも書きましたが、ステレオおやじは趣味人です。
いつもピカピカに磨き上げられた趣味性の高い高級外車。
近所の生活道路でも隣に奥さんを乗せて猛スピードで走ります。子供と近所を散歩していると後ろからステレオおやじの車が猛然と走り去っていきます。危ないです。
そして、これまたピカピカに磨いていつも手入れしている輸入自転車。
ベランダにはジャングルの様に溢れんばかりに茂った観葉植物。
そしてステレオ。大音量のジャズ。
ステレオおやじは真空管アンプを使っているので、いつもジャズが聞えはじめた頃は「今日は少し音小さめ?」と思うのですが、10分もすると真空管が暖まってジワ〜ッと音量が上がって、いつもの大音量になります。
夏は窓を開けたままでステレオ聴きくので外にジャズの音が響き渡ります。
ヘビースモーカーでパイプもやります。
ベランダや敷地内ではいつも煙草かパイプを手放しません。
吸い終わった煙草を隣の敷地に投げ棄ててるのを何度か見たことがあります。
人には厳しいけど自分には甘いようです。
もし他人がマンションの敷地内で煙草をポイ捨てしてるのを見たら、黙って見過ごすのでしょうか。


どうもこの人、自分のライフスタイルを自慢しているように見えます。

「オレは自由人!」
団塊世代の一部にこのカテゴリーの人たちいますよね。
そのカテゴリーの人たちのイヤなとこ全部集めたのがステレオおやじ。
私にはそう見えてました。

私に自慢のステレオを「うるさい」って言われて物凄く頭にきたんだと思います。
まだ最初の頃、廊下でステレオの音の話しになった時、
ステレオおやじは私のクレームに対して「気をつけてみますよ」と言った後に、「いいレコード聴かせるよ」と言った事がありました。
ステレオおやじにとって自慢のレコードコレクションが騒音であるはずはなく、彼の人格と言ってもいい存在なんだと思います。
なので、「うるさい」と言われた事は人格を否定されたことにも等しかったのだと思います。
もともと人に何か言われると反射的に反撃してしまう性格と相まって、ステレオおやじ独特の言動があるのでは・・。

上階のステレオ音が鳴り止むことはなく、否が応でもステレオおやじの事を考えずにはいられません。この頃はステレオおやじの人格や行動を色々と分析していました。



今回は内面的な話しになってしまいました。
総会の話しは次回に持ち越しにします。

【つづく】


Posted by arakihitoshi at 01:14│Comments(6)││恐怖のステレオおやじ 
この記事へのコメント
この荒木先生の連載もクライマックス(総会?)近しでしょうか。素朴な疑問なのですが、ステレオおやじは、そんなでかい音で聴いて自分はうるさくないのかなあ…。
Posted by よこおじゅん at 2008年09月07日 21:58
ステレオおやじは「本当はもっと大きな音で聴きたい」と言ってたくらいなのでうるさくないんだと思います。
私が不思議だったのは一緒に暮らしている奥さんです。どうして我慢していられるのか本当に謎でした。
Posted by あらき at 2008年09月07日 23:37
5
ブログには初めてコメントします。
どんなドラマよりも次の展開に興奮します。
「ステレオおやじ」は普段、会社では全然冴えない人なら笑えますよね。
たぶん当たっているといるとは思えますが・・・
「俺はお前ら(部下)の盾になる!」とか「俺は社名よりも自分の生き方の方が大事だ!」と言いながら(多分に酒付き)、自分の保身第一に動くタイプかなと・・・。僕(筆者の)のストレスが溜まってる?
Posted by 不思議な角笛 at 2008年09月09日 22:56
こんにちは(^^)
会社ではどんな感じなんでしょうねー。毎日きっかり定時に帰って来てたので、少なくとも会社人間ではなかったでしょうね。
会社に居場所がないからマンションの理事会に居場所を求めてたのかもしれません。

それにしてもステレオおやじの部下は本当に災難だったんじゃないかと思います。定年になったら塩を撒かれたんじゃないでしょうか。
Posted by あらき at 2008年09月10日 01:19
とんでもないヒトが居るものですね。

分譲マンションはコレが怖いです。
私はずっと賃貸です。

自宅での練習は どうされていたのでしょうか?
Posted by チェロ森 at 2008年09月10日 22:26
チェロ森さん>こんにちは。

そうですね。分譲はマンションに限らず一戸建も、近隣トラブルのリスクは避けられないですね。
分譲賃貸あたりが賢い選択なのかな・・、と今になって思います。

自宅での練習はしてましたが、末期の頃は苦労してました。
幸い実家が近いのと、札響の練習場の小練習室がわりと自由に使えるので、何とかしのいでました。
Posted by あらき at 2008年09月12日 00:18

コメントする

名前
 
  絵文字