2009年01月11日

ラッパ管の向こうから

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今日は今年一発目の本番でした。
ニューイヤーコンサートで久しぶりにマーラーをやりました。

マーラーは最近あまりやりませんが、バブルの頃は大流行してましたね。
ケンラッセルの映画「マーラー」もあったし、外来オケも在京オケもサントリーホールで競ってマーラーやってました。
今井美樹主演のトレンディードラマでマーラー取り上げられたり、ラジオで斉藤由貴だったかな、「月並みですけどぉ、最近はマーラーとかも聴いてます」とか言ってました。

CDが普及して、LPレコードみたいに何度もひっくり返さなくてよくなったので、演奏時間の長いマーラーが日の目を見たとか、世紀末の空気にマーラーの厭世的でグロテスクな曲の雰囲気が合ってたとか、ちょうど著作権切れたとか、無駄に豪華なところがバブルにピッタリとか、いろいろ理由はあったと思います。

マーラーが大流行した80年代後半〜90年代前半のバブル期は、私の青春真っ盛り。夢多き恋多き、おバカで多感な時期だったので、マーラーを聴くと当時の記憶が一気に蘇ります。
今日も、当時住んでいたアパートの壁のシミとか、あ〜んなこととか、こ〜んなこととか思い出しながら演奏してました。
そのくらい流行ってましたね。クラシック音楽のくせに。プリンセス・プリンセス並でした。
本来クラシックっていうのは、”時代に左右されない”っていうのが一応売りなんで、ああいう流行り方もどうかと思います・・。


さて、CDなんていう話しがチョロッと出ましたけど、今日はちょっと面白いものをお見せします。
下の動画は私が持っている蓄音機で再生したSPレコードの動画です。
私はSPレコートを聴くのが好きで、東京に行った時は時間があると神保町のSPレコード屋に寄ります。
「ラッパ管吹き込み」のレコードにこだわって集めてます。
これは電気式のマイクとかアンプとかが発明される前の録音方式で、演奏者がラッパ管の前で、かなりデカい音で歌ったり演奏したりします。それがコイルを振動させて、蝋などの円盤を直にカッターで刻んでいきます。

片面がだいたい3分くらいなので、録音されている曲は小品が多いのですが、中には根性でシンフォニーを撮ったものもあります。例えば「運命」なんかは10枚セットくらいです。
ラッパ管で吹き込みやすい楽器と、そうでない楽器があったそうで、ラッパ管との距離とかで調整したそうです。

で、このラッパ管吹き込みのSPレコードなんですが、ノイズは多いし、回転ムラもあり、音質的にはかなり酷いのですが、不思議と生々しいです。
演奏者がすぐそこのいるような、息づかいまで聞えるような、ラッパ管の向こうで今現在リアルで演奏しているような奇妙な感覚に捕われます。

これが電気増幅器が発明される1920年代以降の録音になると、確かにダイナミックレンジは広がりを見せて、ノイズも大幅に軽減されるのですが、生々しさは薄れます。
LP、CDと時代が下がるにつれ、再生音は申し分なく美しくなったのに、生々しい人間の息づかいは、原始的なラッパ管吹き込みのSPレコードの方がはるかに勝っているかに感じます。
敢えて例えるなら、NHKのBSハイビジョンはな〜んか人工的な感じなのに、短波ラジオの北朝鮮の日本語放送は妙に生々しい、というのに似てます。

この商売やっていると、クラシックのCDを勉強や研究のためではなく、鑑賞で聴くということはほとんどありませんが、ラッパ管SPは純粋に鑑賞で聴いてます。そのくらい魅力があります。

興味のある方はぜひどうぞ。(ビデオで撮ってwebで、ってことなんで雰囲気だけでも・・)
シモネッティー/マドリガル
ジュール・ファルク(ヴァイオリン)
※ジュール・ファルク(Jules Falk)って誰なんでしょう・・。検索すると同名のストラドがあるので、多分使用してたんでしょう。きっと超有名だったんでしょう・・。1902年11月2日録音とあります。(マーラーが大活躍してた頃ですね)

あ、ところで下の演奏、ヴィブラートがんがんかけてるじゃん! 
やっぱりピリオド奏法なんてうそっぱちだー (`▽´)




Posted by arakihitoshi at 01:23│Comments(2)││音楽 
この記事へのコメント
荒木さんの「私の青春真っ盛り。夢多き恋多き、おバカで多感な時期」の記憶の片隅に残っていますでしょうか?お久しぶりです。ハンスです。前にもメールさせていただきましたね。覚えていらっしゃいますか?相も変わらず細々とホルンを吹き続けています。

あのころをしっかりと覚えていますよ。引っ越しを手伝ったこと。一緒に車で高速に乗ったら、逆方向に乗ってしまったこと。懐かしく思います。

実は今所属しているオケで、家田さんの棒で吹きます。当然お互い面識はありませんでしたが、練習前日の飲み会の席で、荒木さんの名前が出て、とても驚きました。日本は狭いなと思います。

時が過ぎるのは早いですね。あれからどれだけの時間が過ぎたでしょう。私もこどもが二人になりました。私にとっても青春時代だったあのころを思い出すと少し寂しくなりますが、アマチュアながらも細々と音楽を続けていくことが、これまで教えていただいた先生方に報いることと信じ、取り組んでおります。

きっと北海道は厳しい寒さの中でしょう。どうぞお体にお気をつけてご自愛ください。
Posted by ハンス at 2009年01月13日 14:55
どうもどうも。お久しぶりです(^^)。
そうですかー。家田さんによろしくお伝えください。
最近はブログやHPにくわえて、mixiなんかもあるので、懐かしい人と再会できる機会が多くなりました。
アマオケ時代の友人たち、けっこう楽器続けてる人が多くて嬉しいですね。
また覗きに来てください。
Posted by あらき at 2009年01月14日 23:32

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