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チェロのミクロな部分にこだわった楽器紹介。
その壱『エンドピンのすべて』
(これを読破すれば、少なくともエンドピンの知識では誰にも負けないレベルに達します。)
チェロの足の部分をエンドピンと言います。
下の写真は私のチェロのエンドピン部分。

このエンドピン、チェロをチェロらしく演出する重要な部位です。
これをニョキっと床に突き刺して弾くからチェロはカッコイイのです。
でも実は、エンドピンが誕生したのは意外と新しくて、100年くらい前だそうです。
ベルギーのチェロ奏者、フランソワ・セルヴェ(1866年没、享年59)という人が晩年に発明した、ということになってます。
チェロがだいたい現代の形に落ち着いたのは1600年代後半なので、それを考えるとエンドピンの誕生は”新しい”と言えると思います。
しかしながら、セルヴェのエンドピン以前にも、チェロの初学者などにエンドピンらしきものの使用を薦める教則本の存在などがあった、とエリザベス・カウリング著の有名なチェロの本には書いてあります。
なので、ベートーヴェンなどがいた頃のオーケストラのチェロパートにはエンドピンを付けている人と付けていない人が混在していたのではないか? と考えるのが一般的な気がします。
もっとも、この辺りの事情は記録もなく、実際のところは分かっていません。
さて、現代では全てのチェロにエンドピンが付いて行ます。
バロック時代のチェロを再現して、わざとエンドピン無しのチェロを弾く人たちもいますが、これは”バロックチェロ”という、特別なカテゴリーに位置します。
エンドピンは鉄でできており、楽器を弾かない時などは楽器内部に収納できるようになっています。弾く時は引き出して、ネジで固定します。
材質は鉄といいましたが、最近はチタンやニッケル、カーボンなどいろいろな素材のものがあります。音がそれぞれ微妙に異なります。
下のサイトの様に、いろんな種類のエンドピンを売っているお店も存在します。
【見附精機工業】
昔は木製のエンドピンも見ましたが、最近はほとんど見なくなりました。
チェリストの中にはエンドピンに凝っている人もいて、そういう人は何本も所有してたりします。
エンドピンは、先が尖っており、床に刺してチェロを固定します。
なので、床には穴が空きます。
キタラのステージのチェロが座るあたりの床は、蜂の巣の様に穴だらけです。
音楽ホールの舞台の床は数年に一度削りなおしや張り替えを行うのですが、希にチェロに穴を空けられるのを嫌うホールもあります。
音楽ホールであれば、チェロの穴はやむを得ないものとして諦めて欲しいと思いますが、多目的ホールの場合は穴を空けない配慮も必要になります。
そういう場合はチェロの足留めを使うしかないのですが、これがなかなか良いものがありません。
チェロの足留めは、かまぼこ板のような物に紐を付けて、その紐を椅子の足にストッパーとして固定する、通称”かまぼこ”(そのまんま)が最も有名です。
しかし見栄えも悪いので、ゴムの滑り止めの上に木などを張り付けたものが市販されています。しかしながら、演奏中もしっかりと床に固定される信頼性の高いものは極めて少ないです。ここがチェロ奏者の悩みです。
私は知人の知人が自作した物を使用しています。これはかなり良いです。
やはり東急ハンズなどで、納得のいく素材で自作するのが一番かもしれません。
エンドピンが滑るというのもあります。
ごくたまに、思わず力が入りすぎて、たまたま角度も悪かったりして、エンドピンが演奏中にずるっと滑ってしまうことがあります。
これが本番中だったらヒサンです。
なので、チェロ奏者はエンドピンの先が常に極限まで尖っている様に、金ヤスリなどで調整しています。
アマチュアの奏者で、先のすっかり丸くなったエンドピンでズルズル滑りながら弾いている人がいますが、金ヤスリで研ぐようにしましょう。
極限まで先の尖ったエンドピンは凶器にもなりえますが、今のところ飛行機にチェロを持ち込む場合の樹内持ち込み制限品には指定されていません・・・(笑)。
さて、エンドピンをどのくらいの長さを出して演奏するか?というのは、人によって好みがマチマチです。
短く出せば楽器を立てて弾くことになり、長く出せば楽器の角度は床と平行に近くなります。
椅子の高さ、体形や弾く癖、靴底の厚さなどによって大きく違ってくるのですが、演奏中に「あ、短かった・・」あるいは「長すぎた!」と思うことはよくあります。
これが本番中だと、楽章間などが来るまで直せませんから、しばらく我慢して弾くことになります。
なぜか「あ、短かった!」と思うことの方が圧倒的に多いです。
きっと、弾いているうちに姿勢が伸びてきて、楽器が垂直に近づいて来るのだと思います。
ネジの絞め方が足りなくて、エンドピンが少しづつ短くなることも無いとは言えません。
そうやって演奏中に調整して、演奏会が終わる頃は、一番よい長さに落ちついているので、この長さを油性マジックなどで記録しておけばよいのです。キタラで弾く時は椅子も靴も同じものを使っているので、エンドピンの長さも一定なはず。
しかし、終演と同時に、「あ〜〜終わった終わった〜」と安心して、すっかり記録を忘れてエンドピンを収納してしまいます。
忘れ続けて数年・・。
こないだやっと記録しました。
キタラで演奏会が終わって、いつもと違う下手(指揮者が入退場するほう)から退場しました。
下手にはステージスタッフが使う油性マジックが置いてあるのです。
やっと、やっと記録できました!!(涙)。↓

これでエンドピン問題はかなり解決されるはず。
よかったよかった・・・(^^)
これだけやるのに数年かかってしまった。
以上、『エンドピンの全て』でした。
それではみなさんごきげんよう。