小学生の頃、ブラック・ジャックを死ぬほど読んだ。
も〜〜〜〜、繰り返し繰り返し読んで、台詞をすべて覚えてしまったほどだ。
ブラック・ジャックは毎週月曜日(本州は金曜日)発売の少年チャンピオンに連載されていたが、
待ちきれなくて土曜日とか日曜日に、「もしかして入っているかも・・」と本屋に見に行ったほどだ。
で、ブラック・ジャックの単行本は発売と同時に買って、これもまた繰り返し読んだ。
ブラック・ジャックの絵は1万回くらい書いたので、今でも人を驚かせるくらいスラスラと上手に描ける。
いや〜〜〜、本当にブラック・ジャック好きだったな〜〜。
ブラック・ジャックは本当にかっこよかったと思う。
その証拠に、登場する女性は人妻だろうが婚約中だろうが、余命幾許もない身の上だろうが、未成年だろうが、みんなブラック・ジャックに惚れちゃっていた。
あれだけモテモテだったら、全国に1万人の愛人を作ることも夢じゃないと思う。
私は人生の多感な時期に、本当に熱心にブラック・ジャックを読んだので、
ブラック・ジャックから人格に少なからず影響を受けたと思う。
何を隠そう、子供の頃の夢は、”天才外科医”だった。
上手くいっていたら、私も今ごろ無菌テントの中でメスを振るっていたはずだった。
そして、宅建主任者チェロ奏者じゃなくて、宅建主任者無免許医になっていたはずだったのだ。
で、上の娘が小学校4年生になった。
私がブラック・ジャックと出会ったのとそろそろ同じ年だ。
なので、命の大切さを学んでもらおうとか、いろいろ思って封印していたブラック・ジャックを紐解いた。
久しぶりに久しぶりに読んだが、やっぱり引き込まれる。
自分の少年時代の心境まで思い出して本当に懐かしく、しみじみ読んでいる。
奥付を見たら、6巻以降は全て初版だった。
15巻だけカバーが無くなっているのが惜しい。
そういうわけで、今日はブラック・ジャック先生に登場していただくことにした。
荒木「ブラック・ジャック先生! お久しぶりです!」
BJ「む・・。おまえさんも元気そうだな」
荒木「先生もお変わりなく・・。ってゆか・・。先生は実はおいくつだったんですか?」
BJ「ナム三!」
荒木「え?? ななじゅうさん? そんなには見えませんけど・・・」
BJ「あいにく、肩書きだの年齢だのには興味がなくてね・・」
荒木「そうでしたよね。先生は世間の常識とかはお嫌いでしたよね」
BJ「そういえばおまえさん、天才外科医になるんじゃなかったのかい?」
荒木「いえいえ、それがですね。いろいろ予定が狂って、チェロ奏者に・・」
BJ「ふむ・・、脳疾患の兆候がみられるな。ピノコ! オペの準備だ!」
荒木「いや! 狂ったってのはそうじゃなくて・・」
BJ「医者はなんのためにあるんだ!!」
荒木「わー! びっくりした! 急に大声ださないでくださいよ。そりゃ〜、お医者は病気とか怪我を治すためにあるんじゃないんですかい?」
BJ「かつて、わたしの恩師、本間先生もそう言っていたよ」
荒木「そっかー、ブラック・ジャック先生は本間丈太郎先生に命を救われたんでしたよね」
BJ「ひ・・、む。おやじはマカオで暮らしているよ」
荒木「なんか、先生。話しが噛み合っていませんね・・、もう疲れてきちゃいましたよ」
BJ「疲れたのなら、そのベッドに側臥位に寝な。たぶんわたしでなければオペは不可能だ」
荒木「なんで疲れただけで手術するんですかっ!、も〜、何かといえばオペに持っていくんだから。まいっちゃうな〜」
BJ「医者はなんのためにあるんだ!!」
荒木「わ〜〜!、だから、それはもういいですって。なんだかよく分かりませんでしたけど、今日はどうもありがとうございました。先生とお話しできて嬉しかったです」
BJ「礼よりも報酬をいただきたいもんですな」
荒木「やっぱりそうこなくちゃ!。で、報酬はおいくら?」
BJ「二千・・・、いや、三千万円ですな」
荒木「払います!一生かかっても払いますとも!」
BJ「ふっ、その言葉を聞きたかった・・・」