2009年12月04日

世にも珍しいパート譜

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日本のオーケストラを滅ぼす「事業仕分け」に反対するメールを文部科学省に送信してください!
12月15日締め切りです。送信方法と詳しい内容は、前回と前々回のブログ
12月2日の「切羽詰まってます」と、11月28日「『事業仕分け』と道の予算削減」をご覧ください。

==============ここから本文===================================
前回、前々回と書いた事業仕分けについては、たくさんの応援のメッセージやコメントありがとうございます!。

さて、この国で文化というものは、いつの時代も常に逆風にさらされています。
逆風とはすなわち、行政の不理解であったり、時として弾圧であったりするわけですが、
一方で国家権力によって牽引される文化というのはロクなものではないということは歴史が証明しています。
今回の事業仕分けは確かに行政の不理解と言えるのですが、
「何を残して何を残さないのか」という選択権が、われわれ民の手に委ねられたと言えなくもありません。

と、思わず今は亡き筑紫哲哉の多事争論のような幕開けをしてしまいましたが、
みなさ〜ん、文部科学省へのメールはもう送っていただけましたか?
ぬぁに〜 まだだぁ〜?! (▼、▼メ)

さあさあ、早く送ってください。すぐ送ってください。いま送ってください。
送り方は前回のブログを見てね!(o^-')b


さてさて、事業仕分けの話しばかりではなんなので、今回は楽しい話題にしましょう。
先週、札響名曲コンサートで「ウィリアム・テル序曲」をやりました。
指揮はT関さん。
で、いつも使っている譜面と違う譜面が指定されたらしく、見慣れた譜面と違うのが譜面台に乗ってました。
それがこれ。↓
譜面2


な、な〜〜〜んと! 横開き!
あ〜〜っはっはっは! ヽ(´▽`)ノ 
これが笑わずにいられましょうか! 

見にくいんじゃ!!!(ノ`Д´)ノ−−−−−┻┻ -3-3

ご存じのようにオケの弦楽器というのは二人一組で譜面を見ています。
「プルトを組む」と言うんですが、二人のまん中に譜面台を置いて見るわけです。
これがけっこう気を使うんですね。
きっちりまん中に置かないと、譜面台から遠くなった人は楽譜を見づらくなります。
他にも例えば、プルトを組んだ相手が、近眼とかでやたらと譜面台に近づいてこられると、弓がぶつかりそうで弾きにくくなったりします。
だから仕方なく自分が譜面台から離れる。すると楽譜が見えにくい。

近い遠いの問題だけじゃなくて、やたらと譜面台を高く上げたがる人とか、逆に下げたがる人とか、こういう人とプルトを組むと楽譜が見づらくなってイヤなわけです。

ちなみに通常の縦位置の譜面はこう。↓
譜面1


ね? 上の横開きと比べるとだいぶ譜面の遠い方の距離が違うでしょ?

T関さんによると、なんだか通常使う版と音譜とかが若干違ってて、こっちがいいんだそうです。
T関さん、ベストオブ好きな指揮者のひとりなんだけど、たまにこういう 変な譜面持ってくるのがね・・  興味深い譜面でベンキョーになります。

かなり古い話題で恐縮ですが、去年の定期のメンデルスゾーンの「イタリア」でも、究極の変な譜面 興味深い譜面がありました。
耳馴染んだみんなが知ってる「イタリア」の初校が実はあったとかいう・・。
たしかに知的好奇心は満足するのですが、例えば"遺言"なんかも、後に書かれた方が遺言者の真意を汲んでいると解釈されるわけで、公正証書遺言があっても、それより後に書かれた遺言が発見された場合、それが公正証書遺言でなく自筆証書遺言であったとしても、先に書かれた公正証書遺言が無効になるのと同じように、先に書かれた「イタリア」は無効になるのでは・・・、とわたしなどは思ってしまうのです(笑)。


ま、そんなわけで、
今回は、ウィリアム・テルの世界的にも大変珍しい横開きパート譜を披露したい、というのが主目的でした。

それではみなさんごきげんよう。

文部科学省へのメール送信は、何卒、引き続きお願いします!!



Posted by arakihitoshi at 23:28│Comments(5)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
先ほど文部科学省にメールを送った庭師でございます。

いつも「変な譜面」と「繰り返し全部」ばかりで本当に申し訳ございません。まさか「ウィリアム・テル」で横開きの譜面が来るとは想像していませんでした。でもイタリア・オペラでは最近まで結構横開きのパートが使われていたようです。照明の暗いピットでは譜面の下まで均等に照らされないことも多く、横開きの方がよく見えたのだそうです。

それから先日の「イタリア交響曲」のわれわれが演奏した変な版ですが、あちらがメンデルスゾーン自身の改訂版です。庭師は結構気に入っているのですが、執事様のお気には召さなかったでしょうか?

これからも変な譜面を持ち込むことがあると思いますが、なにとぞよろしくお願い致します。なるべく読みやすいものを調達しますから…。
Posted by 庭師のT関 at 2009年12月05日 05:41
(゜ロ゜; これはこれは!T関様! 任務完了ご苦労様です。

それはそうと。いえいえ、けして変な譜面などとは! 興味深い譜面です!
あれ? よ〜く見ると消し損じが・・。薄く「変な〜〜」と読めますね。
でも大丈夫。後から書いたほうが本心に決まってますから!(`▽´)



Posted by あらき at 2009年12月05日 09:57
あらき先生ご指摘の「イタリア」は今年の6月の定期演奏会?のことではないでしょうか。非常に良かったですよ。版とは関係ないかもしれませんが、第四楽章の弦楽器のアンサンブルが無茶苦茶良かったので、せっかく長野から札幌に飛んだこともあり、金曜日だけではなく土曜日の演奏会も急遽聴かせて頂きました。高関先生の指揮は、昨年の7月のkitara10周年の演奏会(?だったかな)でジュピターを全てリピートされていたかと思いますが、この曲って大曲だったんだと改めて思いました。06年10月の「ザ・グレイト」も非常に聴き応えありました(60分位かかったかな)。高関先生の指揮は丁寧でオーケストラ全体に目配りされている感じで、聴衆の1人としては是非狙って聴きたい先生です。
Posted by よこお じゅん at 2009年12月08日 23:45
はじめてメールを送らせていただきます。いつも興味深く読ませていただいています。「ウィリアム・テル」の譜面ですが、20年以上前に、湘南のとあるところで全曲公演をしたときにも、横長の譜面が送られてきましたし、その後、ガラでテルのアリアを演奏したときにも横長でした。昔は「テル」の譜面はそれが普通だと思っていたのですが……。たしかに一般的には縦長の譜面ですね。マエストロのメールでなぜ横長かということを知り、一つ知識が増えました。
Posted by うらかた at 2009年12月09日 16:03
よこおさん> ジュピターの繰り返し全アリはよーく覚えてます。
たしかに、4楽章のコーダ部分に突入した時に、いつもと違う景色が見えました。
あえて例えるなら、すっごいキツい山を登って、息も絶え絶えに山頂に予想もしていなかったような草原の存在を確認したような・・(笑

うらかたさん>はじめまして。そうなんですね、オペラでは珍しくないというのは私も初めてしりました。
それにしても、読みにくいだろうな〜と思います。
ひょっとして、譜面なんか見なくても弾けるくらいさらえ!ってことなのかも・・(゜ロ゜;
Posted by あらき at 2009年12月10日 23:02

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