2010年02月25日

こちらはモスクワ放送です

明日とあさっては定期演奏会です。静かなブレイクの予感がするショスタコーヴィッチの交響曲第8番です。
今回は(間違いなく)CD録音が入ります(笑)。ハイファイ好きの方は後日発売されるCDの音と生の音を聞き比べる絶好の機会です。
ブログランキングに参加してます。
さあさあ、今日もクリックしてください。とにかくクリックしてください。一刻も早くクリックしてください。
ブログが更新されてなくてもクリックは忘れないように! (ここだけの話し、クリックしたあなたにだけ幸せが訪れます・・)
人気ブログランキングへ

=============ここから本文=================

日本の皆さんこんにちは。
こちらはラジオモスコウ、モスコウUSSR、モスクワ放送です。
※モスクワ放送 旧ソ連の国営放送。海外向けにそれぞれの国の言語でラジオ番組を発信していた。内容は社会主義国にありがちな極めてプロパガンダ色の強いものだった。出力が異様にデカく一般家庭のAMラジオでも受信できた。

それでは番組をつづけますね。
つづいては聴者の方からのお便りのご紹介です。
今日は石川県にお住まいの、マトリョーシカ大好きっこさんからのお便りです。
『こんにちは。(こんにちは〜)、私は金沢に住む31歳の主婦です。毎日モスクワ放送をハミングしながら楽しく聞かせていただいています。(ありがとうございます)。 ところで先日の放送で、ソ連には地域によっていろいろな風習があると聞きました。たとえばどんなものがあるのですか?』

ありがとうございます。
それでは、マトリョーシカ大好きっこさんのご質問に喜んでお答えします。
ソビエト連邦には、15の国や自治区と100以上の民族が互いに尊敬しあい、助け合いながら仲良く暮らしていますが、それぞれの国や民族には独自の習慣や文化があります。そうですね。先日の放送で話題になったのはウクライナ地方の結婚式でしたね。ウクライナでは花嫁に皆が卵をあげる習慣がありますね。子宝に恵まれるように、という祈りがこもっているそうですよ。
ウクライナにはピサンカという伝統の卵細工もありますが、こうした伝統を帝国主義的な過当競争にさらすことなく保護し発展させていくのも社会主義ならではではないでしょうか?
マトリョーシカ大好きっこさん、ありがとうございました。またお便りください。

それではここで音楽をお聞きいただきます。
イワノビッチの歌で、ツィガーノフ作曲の「赤いサラファン」をお聞きください。
少女が母親に『私をお嫁にやらないで。赤いサラファンを縫わないで。』と歌っています。

と、こんな感じで番組はまった〜〜〜〜り進行します。
私と同年代の方はけっこうはまってた方多いんじゃないでしょうか。


で、ニュースとか時事解説は急に過激になってこんな感じ。

『アメリカ帝国主義は、本日の国連総会においてソ連のアフガニスタン救出について、挑戦的、挑発的な発言を繰り返しました。これに対し、ソ連の有能な指導者ユーリ・ウラジミーロヴィッチ・アンドロポフ同志は”それはごまかしである。アメリカ帝国主義は詭弁を弄しながらグレナダへの侵略戦争を正当化しようとしている。・・・・』

”アメリカ帝国主義”っていう呼び方が痺れます・・(笑)。


で、すごく嘘くさ〜〜い感じのも・・・。こんな感じ。

『さて、本日のソヴィエト連邦最高会議において、モスクワに住む旋盤工ミハイル・ウスチノフ氏の推薦によって、コンスタンチン・チェルネンコ氏が最高会議幹部会議長、共産党中央委員会書記長に全会一致で任命されました・・・』

( ̄□ ̄;・・・・・。いや、たしかに労働者は大切だけどさ・・。  


私がよくモスクワ放送を聞いていたのは、高校生くらいの1980年代初頭〜半ばでした。
なので、上ような感じのアフガン侵攻とかグレナダ侵攻を米ソが攻撃しあう国際情勢でした。
たいてい男と女のアナウンサー(日本人)がしゃべってて、モスクワから発信した電波を一旦ハバロフスクあたりで中継して、日本に放送していたようです。
男のアナウンサーの名前は「スエタ」という人でした。
ニュースの最後などに「担当はスエタでした」と言っていました。

北海道だったからかもしれませんが、普通のAMチューナーでもモスクワ放送の電波は本当にきれいに拾いました。

さて、なんで急にモスクワ放送の話かというと、
今回の定期はショスタコーヴィッチの交響曲第8番。
ショスタコやるとどうしても80年代のモスクワ放送を思い出してしまいます。
ショスタコの曲は作曲当時のソ連の政治情勢や、ソ連の革命や戦争の歴史と切っても切れないですよね。
ヴォルコフの『ショスタコーヴィッチの証言』が本当か嘘か?とかね。昔大流行しましたよね。
実際にショスタコーヴィッチがどういう政治的な意味をこめて曲を作ったのかは、本人が死んでいる以上もう確かめようもないですが、いろいろと想像をめぐらせるのは楽しいです。

私が持っている解説に、ショクタコーヴィッチの全交響曲15曲のシンメトリックな関係、なんていう話が載っているのですが、15曲を円のように作曲順に並べて書くと、8番はちょうど真ん中です。
で、戦争を題材にした7番、8番、9番を中心にして、ちょうど左右対称にテーマや編成が並ぶって言うんですね。確かにきれいに並びます。
これは面白いです。
まるでショスタコーヴィッチが生涯に15曲の交響曲を書くと、最初から予言していたようです。
こないだレコードでコンドラシン/モスクワフィルの全集を買ったので、そのうち15曲をぶっ通しで聴いてみる、なんてのもやってみたいです。


で、最後になりますが、みなさんに質問です。
この曲ご存知の方いませんか?
http://blog.livedoor.jp/arakihitoshi/Radiomoscow.MID
(midiファイルです。)
Radiomoscow
不具合等で聞けない方のために一応楽譜も。(四分音符=140くらい)


モスクワ放送の『ラジオジャーナル今日の話題』というコーナーでかかっていたテーマ曲です。
実際はオーケストラ曲です。
上のmidiの旋律はトランペットです。この旋律の後ろで弦楽器とピアノが強奏で、ザッザッザッザッザッ と八分音符で刻んでいます。
かなり派手な感じの曲です。本当はもっと長いのですが、旋律らしい旋律は上の7小節だけで、これが多少変化しながら繰り返されます。(うる覚えですが・・)
この曲にのってアナウンサーが「ラジオジャーナル今日の話題です」と言ってコーナーが始まります。

ず〜〜っと気になってるんですが、30年以上経ってもまだ発見できていません。ショスタコかとも思ったのですが、どうも違うようです。
かっこいい曲だったのでぜひもう一度聴いてみたいと思っています。
ひょっとして番組か局のオリジナルだったのかもしれませんが・・。(それにしては編成がでかい)

知っている方がいらしたらお便りくださ〜い。
担当はアラキでした。


※本文中の固有名詞や史実はイメージです。気にしないでください。

Posted by arakihitoshi at 17:40│Comments(15)││音楽 
この記事へのコメント
アラキ先生、こんにちは。私のパソコンではうまく音が聞こえずに、当てずっぽうで申し訳ないですが、
?ショスタコービッチ:ピアノ協奏曲第1番
?ショスタコービッチ:ピアノとトランペットと弦楽器のための協奏曲
いずれかではないでしょうか?
追伸、今月の定期演奏会素晴らしい演奏会になりますように
Posted by よこお じゅん at 2010年02月25日 23:30
よこおさま> 書き込みありがとうございます。
どちらもトランペットがソロで活躍する曲ですよね。私も疑ってみたのですが、どちらも違いました。
聞けない方のために楽譜も追記してみました。どうでしょう。お心あたりありませんか?
オケの編成はフル編成です。ピアノや打楽器もたくさん入ってます。
Posted by あらき at 2010年02月25日 23:41
うーん・・・チャイコフスキーらしいが。
違ったらすみません。
判明したら連絡します〜
Posted by りつこ先輩 at 2010年02月26日 22:38
りつこ先輩> ち〜〜っす!
なるほど・・。チャイ4の冒頭なんか雰囲気似てますよね。
でもチャイコかな〜。
ピアノがかなり活躍してる(印象)んです。
気合入れておぼろげな記憶を頼りにMIDIのオケバージョン作っちゃおうかな・・・。
判明したら教えてくださ〜い。
Posted by あらき at 2010年02月26日 22:58
ゲオルギー・シヴリードフの『時よ進め』序曲?

聞いた事ないしググってもなんも出ません〜
Posted by りつこ at 2010年02月27日 00:28
ゲオルギー・スヴィリードフ作曲 時よ、前進!

たびたびごめんなさい。こっちですね!
いやあ自分のしつこさに感動!

感謝してね!
Posted by りつこ先輩 at 2010年02月27日 00:42
すごい!!!
判明しちゃいましたね。まさにこの曲です!!!
YouTubeにありますね!!
http://www.youtube.com/watch?v=mAlITy9ESxA
(0.57秒あたりから)

りっちゃん先輩、すごいよ!
いや〜〜〜、”賢い女”ってのはカッコいいね! 萌えました(笑)。
Posted by あらき at 2010年02月27日 01:09
エヘン!
でもホント懐かしいですね。
ニュースなんか聞いてると、『私って今日本の誰よりもロシア情勢に詳しいの!?』
なんて思わせてくれました。
んなわけないのに。

ここでマイブログのアドレスのっけるとどれくらいアクセス増えるのか
実験させて←お礼



Posted by りつこ先輩 at 2010年02月27日 13:22
今話題沸騰(?)の「時よ、前進!」。バンクーバー五輪閉会式にゲルギエフ指揮で演奏されましたよね!
Posted by アキラボウズ at 2010年03月01日 20:29
うわ、すごいですね。判明したんですね。りつこ先輩という方すごいなー。1つホッとしたのは、知らない曲で良かったということです(笑)。譜面まで書いて頂いて、知っている曲だったら恥ずかしかったので(笑)。今度CD買って聴いてみたいと思います。
Posted by よこお じゅん at 2010年03月01日 21:41
えー! そうなんですか?! >バンクーバー五輪開会式
すごい偶然というかなんと言うか・・。
開会式の演奏聴いてみたかったです。ネットで探してみよう・・。
Posted by あらき at 2010年03月01日 22:00
ショスタコーヴィチというと
私にとっては「十(とお)の詩曲」という合唱曲(合唱組曲?)です。
荒木さんが思い起こす80年代のもうひとつ前
70年代の最後に学生合唱団でおおいに持て囃された合唱曲です。

曲自体は混声4部〜8部のア・カペラで
ロシア民謡的な滔々とした雄大な印象の音楽ですが
歌詞の内容はソヴィエト共産主義賛歌だったのだろうと思います。
1曲でもヘタるくらいヘヴィな曲なのに
タイトルのとおり10曲からなる大曲で通して演奏されたのは聴いたことがありません。

いやぁ〜〜〜、それにしても懐かしいなぁ。。。。。
思い出したらまた聴きたくなりました
Posted by Traviata at 2010年04月30日 01:40
5
はじめまして!!モスクワ放送とは懐かしいですね。僕のBCLデビューもモスクワ放送でした。ところでラジオジャーナル今日の話題のオープニングの曲を以前リクエストしたことがあります。タイトルは確か「時は進む」でソ連の映画音楽だったと思います。
Posted by ささやん at 2011年09月28日 22:23
はじめまして。「ラジオジャーナル今日の話題」で検索したらたどり着きました。
「Время вперёд!」は判明しているようなので、些細なことを。
「ラジオジャーナル今日の話題」のコーナーを担当していたのは、清田彰さん(セイタと読む)で、平成23年4月にモスクワで亡くなられたそうです。第二次大戦後シベリアに抑留され、そのまま帰国せずにロシア(当時はソ連ですね)にとどまったのだそうです。
日本の女子バレーチームを「東洋の魔女」と呼んだのは彼が最初で、宇宙飛行士の船外活動に対し「宇宙遊泳」と造語したのも彼だそうです。
Posted by かずきち at 2012年12月06日 13:41
はじめまして。
清田彰さんというアナウンサーだったのですね。
他にもいろいろと貴重な情報ありがとうございました!
Posted by あらき at 2012年12月07日 00:53

コメントする

名前
 
  絵文字