2010年04月27日

フラブラおやじ(改)

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「類型」という言葉がありますね。
特定の種類の人間を類型化することも多いです。たとえば"B型人間"とかって使い方も類型化だと思います。(ちなみにわたしはO型ですが)。
私は仕事柄、自家用車で長距離を運転することが多いのですが、車を運転していて私が発見した「類型」に『帽子をかぶって車を運転してるおじさん』というのがあります。

広い国道を気持ちよく走っていると、脇の道からふらふら〜〜っと国道に出てくる古めのセダン。
追突しそうになって、あわててブレーキを踏んで減速するわけです。
「も〜〜〜〜!!」とか思いながら、超ゆっくり走るそのセダンの後をイライラしながらついて走ります。
ゆっくりもいいのですが、ものには限度というものがあります。郊外のまっすぐな国道を制限速度以下で走られたのでは、後ろについた車はたまったものではありません。
でも仕方ないので何十キロも続く北海道にありがちな一本道の国道をトロトロとその車の後に続いて走ります。
やがてイライラは絶頂を迎えます。
「おいおい! 嫌がらせか?」
「あのな、路肩によけていっぺん止まるとかしたら?」
「後ろに何十台も車連ねて、なんで平気なの? 感覚おかしくない?」
などと充血した頭で思うわけです。

やっとのことで追い越し禁止が解除になって、一気に追い越し!!
抜かしざまにセダンの運転席を見ると、あ!、帽子かぶったおっさんだ・・・。
それじゃ〜、仕方ないなヽ(´▽`)ノ。
だってさ、帽子かぶったおじさんだもん。
帽子っていってもハンチングとか、そういうカッコいいのじゃなくて、古い野球帽とかああいう形の帽子ね。
車の中なのにずっと帽子かぶって運転してるのがこの人たちの特徴です。
帽子かぶったおじさんは、車運転するとき絶対にバックミラーなんか見ません。だから後ろにズラっと車がつながっちゃっても平気。
そしていたって平和・・。
脇道から国道に出るときもまったく平気。右も左も見ないで自分のタイミングだけで出るもんね。
いや〜、帽子かぶったおじ様には敵いませんわ!。
(*帽子をかぶって車を運転する人がすべてそうだ、というわけではありません。少なくともあなたは違います(笑))

まるでクローン人間のように同じ運転をする帽子かぶったおじさんたち。
これが「類型」というものなんですな・・。うんうん。納得。


さて、前振りが長くなりましたが、今日のテーマは「帽子をかぶったおじさん」ではありません(笑)。
ここんとこ特に話題沸騰の「フラブラおやじ」についてです。
実のところ、この問題を書くことは長いこと封印してきました。非常に難しいテーマです。
帽子かぶったおじさんはどちらかというと平和ですが、こちらはそうもいきません。
このブログを読んでいただいてる諸兄にはもはや説明の必要ありませんね。
演奏会の最後、シンフォニーの終楽章は激しく盛り上がりを見せた後、やがて静かな終部を迎える・・。
弦楽器によって醸し出される繊細で美しい和声進行・・。
ああ、もう終わってしまうんだね。いつまでもこの響きに浸っていたい・・。
会場にいる誰もがそう思う瞬間。(オケのメンバーは仕事が終わって帰れるという喜びも少し・・・(笑))
やがて最後のコードの余韻が指揮棒が下ろされるまでの数秒間、会場を包み込む・・・ 
・・はずだった!


ブラ"ボーーーー!

会場をつんざく叫声。
フライング・ブラボー、略して”フラブラ”。
一瞬にしてすべてをなぎ倒すその破壊力は、原発100基分のプルトニウムに匹敵するともいわれています(笑)。

最近あった演奏会にもそれはそれは見事なフラブラおやじ様がいらっしゃっていました。
いくつかのブログでそのことが話題になっていました。
みなさん異口同音にフラブラへの怒りを書き連ねています。
フラブラおやじがどれだけ"K・Y"だとか、一体どういう精神状態なのか、どういうつもりであり得ないタイミングでブラボーを叫んでしまうのか・・、
そういうことを分析するのはあまり意味のあることとは私は思えません。
フラブラは「類型」としか言い様がないと思うからです。

舞台からフラブラおやじを発見することも珍しくありません。
なぜか大柄な人が多いです。で、姿勢がいいです。そして血色もいいです。
独特の無垢な目をしています。
私など最近では「あの人、フラブラおやじに違いない」という具合に、叫ぶ前からフラブラおやじを発見することができるようになってしまいました(笑)。

あ、念のために書き添えておくと、ブラボーの掛け声自体はいいんです。
これが出ると、私のようなオケの一員でも嬉しいですから、指揮者やソリストはとても嬉しいだろうと思います。
問題になっているのは、曲の余韻をもかき消してしまうタイミングの早すぎるブラボーの掛け声です。
(派手に終わる曲では、多少早くても悪くない場合もあります)


さて、実際のところ対処するとなると困った問題ですよね。
フラブラとは違いますが、だいぶ以前に会場で言葉を叫んでしまう人、というのが問題になったことがありました。
「静かにしてほしい」みたいな意味の言葉だったのですが、あまりにも大きな声で叫ぶので、皆びっくりするし演奏会の雰囲気も壊れてしまいます。
しかしながら、結果的にはこの問題に対しては対処が可能でした(私が対処したわけではありませんが)。
相手は一人だったので特定が可能だったからです。

しかし、フラブラおやじは「類型」です。
仮に一人駆逐したとしても次々に現れるでしょう。
札響のプログラムに評論家の先生が、フラブラをそれとなく戒めるコラムを一回といわず掲載したことがありましたが、効果があったとは思えません。
こういうやんわりした方法はフラブラおやじには通用しないようです。
やはり現実的な方法は、プログラムに「拍手やブラボーなどの掛け声は、指揮棒が降りてからにしてください」みたいな注意書き(w)を書くとかしかないのかな〜。
「フラブラはやめましょう」みたいな場内アナウンスとか(笑
でもね〜、あんまり厳しくやっても、「これだからクラシックの演奏会って敷居高いのよね〜〜」とビギナーのお客さんにますます敬遠されそうです。
まあ、バランスをとりながらってことになるんでしょうね。(私がやるわけじゃないですけどね)

いっそ、札幌市議会でフラブラ禁止条例でも制定しくれないかな・・。
そしたら違法行為として堂々と"お断り"できるでしょ?
「フラブラ行為を行った者には2年以下の懲役、100万円以下の罰金、またはその両方が科されます」みたいな感じで。
条例までいかなくても市長が規則を制定してくれるとか。
世界に先駆けてフラブラ条例(もしくは規則)。これはインパクトありますよ〜。
芸術都市札幌を世界にアピールできること請け合い!
本当に制定したっていいと思います。フラブラおやじに加害の意思がなくても、コンサート会場内の公共の福祉に著しく反しているわけだから・・・。

うん! これはいい思いつきだ!
ね? そうしましょうよ!  市議の先生方、よろしくお願いします!


Posted by arakihitoshi at 11:16│Comments(8)
この記事へのコメント
前振りに反応

帽子をかぶっているおじさんは「安全運転」なんです。
けっして「無謀(無帽)運転」はしませんから。

平和ですね、乾杯!
あっ、飲んだら乗りません。
Posted by けんたい at 2010年04月27日 18:49
こんにちは。下記私の演奏会での拍手あるいはブラヴォーの流儀?になります。

 ?演奏が終了した後は指揮者が手を下げるまで拍手をしない 
 ?指揮者が演奏者にお礼を言って敬意を表している時は拍手のみ
 ?聴衆に振り返っておじぎをしても、まだ拍手のみ
 ?カーテンコール1回目:指揮台に戻っておじぎされたらブラヴォー
 ?管楽器など立たせてもらった奏者の演奏が良かったらブラヴォー
  ※今回の定期では、クラリネット、ホルンにブラヴォーしました。
  ※女性の場合にはブラヴォーではなくブラヴァー(女性名詞)を
  ※弦楽器のトップと握手している時もブラヴォーを
  (今回私はチェロのあらきさん、石川さんにブラヴォーしました)
 ?カーテンコール2回目:指揮台に戻っておじぎされたらブラヴォー
 ?カーテンコール3回目:スタンディングオベージョンで拍手
  ※後ろの座席のお客様に注意
  ※今回の座席は後ろ1名だけでしたので失礼して立ちました。
 ?オーケストラが引上げた後指揮者のみ戻ってくる場合
  舞台まで駆け寄ってブラヴォーをかける
  ※今回はここまではありませんでした。

そんな感じですかねえ。
如何でしょうか?
因みに私も帽子被ったおっさんです(笑)。

Posted by よこおじゅん at 2010年04月28日 00:37
けんたいさん>「けっして「無謀(無帽)運転」はしませんから。」
うまい! さすがは筋金入りのおやじ様ギャグであらせられます。まもなく私もその域に到達する予定です(笑)。

よこおさん> 完璧です。
もはや何も言うことはありません!
これからも精進して”ブラヴォー道”の奥義を極めてくださることを期待しています!
Posted by あらき at 2010年04月28日 01:06
4
演奏の余韻

じっくり味わいたいものです。
その余韻を破壊する方・・・困ったものです。

舞台関連の仕事をしておりますが、
逆に「かけ声」の講座をやろうと計画進行中です。

舞台と観客の一体感。感動が生まれる瞬間を
是非つくりたいものです。

失礼しました。
Posted by ゴンザレス at 2010年04月29日 13:30
はじめまして。いつも楽しく拝見しています。
4月定期におじゃました時、全く同じ事をおもいました。
あの美しい余韻に浸っていたかった…。

いち早く叫ぶのが良しと思っていつのでしょうか。

海外オーケストラの演奏会に行ってもフライングはありますよね。
せっかくの良い気分がその瞬間がっかりしてしまいます。

去年ピアノのコンサートに行った際、曲間の拍手は結構です、とプログラムにもアナウンスでも何度も言ってた事がありましたが、それでも曲間の拍手がありました。
人の話を聞かない人は、迷惑な事をしている自覚が無いから言われたとしても気付かないんでしょうね。

コンサートって、隣がうるさい人のこともありますし、運だなぁ、って思って行っています。
Posted by 手稲より at 2010年04月29日 17:56
5
こんにちは♪
「フラブラおやじ族」には私も辟易といたしますが
今日は「無帽運転をしない族」のほうに反応!(笑)

以前職場の同僚が「帽子を被ったおじさん」の運転には気をつけろと良く言っていました。
そこで私が「じゃぁ、帽子を被ったおばさん」の運転は?と聞くと
間髪を容れず「論外!!!」という答えが返ってきました(爆)

運転中、帽子を被ったおじさん・おばさんを見ると
未だにそのことを思い出します。
Posted by Traviata at 2010年04月30日 01:19
5
無帽運転に5拍手!

フラブラ 
私も静かに終わる曲の時にはドキドキしながら浸っています
”…まて! ……もうちょっと!”ってね

歌舞伎に大向こうという人方がいます
セリフの合間にかけ声をかける人ですが、これまた絶妙なタイミングで声をかけます
爪の垢を煎じて飲ませたいですね
Posted by じい at 2010年05月01日 12:39
手稲より様と同感で、演奏会が終わって「今日は良かった」(何が?)「周りのお客さんが」と思うことがあります。私も決して誉められた聴衆かどうかわ分かりませんが、鞄から飴を取り出し袋から出すガサガサ、プログラムを見るガサガサ、あげくはチラシを見るガサガサ、ノイズが多くてストレスが溜まることが多いです。ただ、kitaraの場合には、「チラシを膝の上に置かないで下さい」といったニュアンスのアナウンスが入るので比較的マナーは良いと思います。では皆様またkitaraでお会いしましょう。
Posted by よこおじゅん at 2010年05月05日 13:51

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