2010年06月07日

レコードの盤面を顕微鏡で見る【前編】

発売日の翌日にiPadをヨドバシで触ってきました。
そして、半年以内に間違いなく買っている自分の姿を霊視しました。
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さて、今日は久々の(でもないが)オーディオネタである。
私のオーディオ熱はまだ続いている。
所かまわず相手かまわず、最近買ったレコードの話などを熱く語ってしまうので、若干周囲が引き気味である。
しかし、職場の先輩などがそんな私をみかねて、貴重レコードや貴重カートリッジなどを気前よくポンポンと貸してくれるのでネタには不自由していない。

いろいろ聴けて本当に楽しい。楽しいのであるが、でもやはりこういう趣味のものは究極的には”所有”したい。
自分の物にしてナンボである。
本でもレコードでも、自分で蒐集したものをズラッと並べていとおしんだり悦に入ったりしたい。
そして、並べてある本だったら背表紙とかレコードだったらビニールのバリの部分なんかを、指の裏側や爪のところでパタパタパタ・・・、とやりたいものである。
そして時には顔を埋めて匂いを嗅いだりもしたい。
他人から借用しているものは、パタパタしたいとか匂いを嗅ぎたいとは思わない。
自分の脳内の分身たる蒐集した物でなければパタパタ欲は生じないということだと思う。

そんなわけで、ハード面は一段落したので、というかしがない財団職員の身でそうそう高価な機材を買えるわけはなく、最近はもっぱらレコードをネットでコツコツと探して買っている。
レコードも高いものは高い。
例えばチェリビダッケのブルックナーなんて何十万円もするものもある。
しかし、私の興味は主に室内楽や、オーケストラでもマイナーな分野に向いているので、私にとっては貴重なレコードが比較的安価で手に入るので助かっている。

レコ2

上の写真は、最近入手したレコードの一例。
左はシュワルツコップ/セル/ベルリン放送響のR・シュトラウスの「四つの最後の歌」。
これは奮発して8,500円くらい出した。CDは持っていたがレコードで聴くと感動ひとしおである。
そして最近特に凝っているのが、旧東ドイツや旧チェコスロバキアなどの旧東欧圏のレコードである。
写真の中央はチェコスロバキア時代のスプラフォン・レーベルのブラームスのクラ5。(スメタナS.Q/レバ)。
右側が旧東ドイツのレーベル「エテルナ」の、ベートーヴェン/ピアノ三重奏op.70。ヴァイオリンは札響にも指揮で何度も来ているボッセさん(ゲヴァントハウスのコンマス時代)である。これは貴重である。
マスター・プレスか、条件から考えて限りなくその可能性が高い盤を集めているわけだが、それでもこの手の室内楽レコードは1000円〜2000円代で買えてしまうことが多い。
こないだなんて、アマデウスS.Q.のモーツァルトの初期の弦楽四重奏集4枚組の”新品未開封”(40年前の物なのに新品)が2,250円で買えてしまった。
やはり室内楽というのは儲からないのだ!(苦笑)

で、この旧東欧圏のレーベルたちは得も言われぬオーディオ的で魅力的な音を醸し出してくれる。
西側のグラモフォンとかEMIとか、その他いろいろのレーベルももちろんいいんだけど、東欧圏レーベルは一味違うのである。万人受けはしないのかもしれないが・・。
聞くところによると、東欧では貧乏ゆえに90年代まで真空管製の録音機材が当然に使われていたそうである。それがかえって良かったのかもしれない。
あるいは、昔の東欧だったらレコードなんてきっと特権階級向けとか輸出向けの贅沢品だったんだろうから、逆に採算度外視でいいものを作っていたのかもしれない。
どちらにしろ、"粗悪"とは程遠い、むしろ丁寧に作り込んだ印象を受けるレコードたちである。

で、こうなってくると気になるのは、やはりレコードのコンディションである。
せっかく貴重版を手に入れても、スクラッチノイズがあまりに酷いと辛いものがある。
レーベル保護用のグッズ&歯ブラシでレコードを水洗いする話は以前書いた。この方法は一定の効果はあげるが、それでもノイズがあまり消えない盤もある。
見ても傷があるわけでもなし・・。
なんで??

というわけで思い悩んだ挙句、顕微鏡出動。
レコ3

我ながら、ここまでやるか・・、と思いつつ・・。
特にノイズの酷い盤の溝を50倍くらいに拡大して見てみる。

アタッチメント無いから、接眼レンズにカメラのレンズを押し当てて撮った写真がこれ。
レコ4

これだとちょっと分かりにくいが、目で覗くとはるかによく見えている。
私はてっきり手の油が溝の深い部分に入り込んで、長い年月の間に酸化したりして溝を腐食し、あるいは磯の粒貝のように、もしくは小さな虫の卵や幼虫が木の幹などにぎっしり付着したように、盤の塩化ビニールと付加一体化し、おぞましいブツブツの光景が見えるかと思っていた。
しかし、予想に反して盤の溝は綺麗であった。
ブツブツなんてどこにもない。

さらに"研究"は続くのだが、そろそろ夜も更けたので今日は寝ます。
それではみなさん、おやすみなさい。

【つづく】


Posted by arakihitoshi at 00:14│Comments(7)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
オーディオのお話し、待ってました!
それにしても顕微鏡で溝を見てみるとは、ますますアナログの深みにはまっておられますネ。確かにLPの暖かく深くなめらかな再生音と豊かな倍音は、実に魅力的です。旧東欧圏の録音は私も好きです。当時の"国家の威信"をかけて演奏し録音している感じがします。そして真空管アンプだとそれがよく伝わってくるんですよねえ。
続編も楽しみにしています。
Posted by 愛知の真空管おやじ at 2010年06月07日 14:59
実家にいけばレコードどこかにしまってあるかなあ。お宝のレコードはないですが、一番印象にあるレコードはクーベリック指揮バイエルン放送交響楽団のベートーヴェン7番でした。と横レス気味でスイマセン。
Posted by よこお じゅん at 2010年06月09日 22:07
も、もしかして…静電気のピチピチノイズ?!!(`口´;)…パンスト丸めてこするといいとか…(昔はやってた説)
それより管理人どの。定年になったら室内楽専門の名曲喫茶なんかやったらどう?…気の向いたときに店開けて夜は客が来なかったら早々に閉店。コーヒー一杯で聴き放題とか、ありがたいなぁ。
そのためにも今からあれこれ集めておかないとね。老後のためとなればコレクションも正当化できるじゃろうて。(`▽´)
そういえば、滝川のハードオフのオーディオコーナーに真空管がごろごろしてたよ。
Posted by ごまふ at 2010年06月09日 22:29
真空管おやじさま>旧東欧圏レコードは妙に耳に残る音がする気がします。
こうやってレーベルごとの音の特徴が顕著なのもアナログ・レコードの楽しいところですね。

よこおさま>クーベリック/バイエルン放送響のレコードは今でも人気ですよね。ドイツ・プレスの状態の良いものだったら、かなり高価なのではないでしょうか。
探してみては?

ごまふ>室内楽専門の名曲喫茶〜〜?。3日で潰れること決定!
客来ない上に単価安い!!
それだったら室内楽専門のキャバクラっていうのは?
キャバ嬢と札響定期聴いてから同伴出勤。店内では弦楽四重奏の生演奏。
座っただけで10万円。(演奏料込み)ってことで・・。
Posted by あらき at 2010年06月10日 00:12
二日間の定期の本番、おつかれさまでした☆ 新旧にわたるフランス音楽を二日間にわたり堪能させていただきました。この三週間、診療室ではレクイエムとコンチェルトをずっと流して予習おりましたが、本番の素晴らしさに感動しているところです。レクイエムの美しさにも魅了されましたが、前半のオネゲルもコンチェルトも良かったです☆ そして、ソリストさんも素晴らしかったですね〜 でも、何よりも今月定年をお迎えになられた余田さんのご挨拶のことばが感動的でした。人生の深みが感じられました。忘れられない定期となりました☆

今日の演奏前、ノイズのことをお聞きしてみました。もし、ほこり等の付着物がないのでしたら、静電気ではないか(?)とのことでした。また、水洗いのお水は薬局で販売されている生成水を使った方が良いとのことです。放送局の視聴室には、静電気オフの効果もあるクリーニング機があるそうですが、150万円もするそうです。
Posted by よしのり at 2010年06月26日 20:38
よしのり様>
書き込みありがとうございます!
演奏旅行に出ていたりですっかりレスが遅くなりすいませんでした。
さて、ノイズ。
やはり静電気なんですね。それにしても、静電気が激しく起こる盤とそうでもない盤の違いってなんなんでしょうね。
私が昔買って保存していたレコードは、盤面を手で触ることはほとんど一切なかったので、今聴いてもノイズはほとんどありません。
やはり中古で入手した保存状態が悪かったと思われる盤に、静電気と思われるノイズがおきます。
ということは、やはり”汚れ”と関係しているのでしょうか。でも顕微鏡で見ても汚れが見えない・・。
うーん、悩みます。
クリーニング機、150万ですか〜。なかなか個人で買える代物ではないですよね。

情報ありがとうございました。
また書き込んでくださいね。
Posted by あらき at 2010年07月04日 14:11
なるほど、アナログレコードの溝の中ですか。

 こっちも覗いてみたいなあ、60倍くらいでもよく見えるのかな。
Posted by daikaisui at 2010年09月06日 15:36

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