本州の酷暑は酷いですな〜〜。心からお見舞い申し上げます。今年ほど北海道にいる幸せを感じたことはありません。
罪深き北海道人を許したまえ! 流しソーメン!
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一番言われてゲンナリする言葉に、
「いいな〜、好きなこと仕事にしてる人は」があります。
この商売やっているといろんな局面でこれを言われるんですよね。
例えば、
楽器持ってタクシーに乗ったときの、運転手さんとの会話で、
久しぶりに偶然会った高校時代の同級生との会話で、
PTAや町内会などの集まりで、
などなど・・
言った人に悪気は無いんだと思います。
ほんの軽口か、いや、ひょっとしたらお世辞のつもりかもしれません
しかし、これを言われると何故か、むしょ〜〜〜にイラつくんですよね(笑)。
「じゃあ、アンタも好きなこと仕事にすればいいだろ!」
と言い返したくなります。
そして続けざまに、
「そしたら、好きなこと仕事にするのが大変なの分かるよ。だいたいさ〜、好きなことっていうけど、好きなことだけしててホントに仕事になると思う? イヤな仕事も請けて、イヤな客とも仲良くして、それが仕事でしょ?違う? それとも何かい? エロいこと好きだったらフーゾクで働けばみんな幸せになれるって言うのかい? 『椿姫』のヴィオレッタは高級フーゾク譲だったけど不幸な末路を遂げたぞ!」
と矢継ぎ早に畳み掛けるように、小一時間そいつを問い詰めたらどんなに気分爽快だろう。と凶暴な気持ちになるのです。(※下部参照)
いやね、音楽を仕事にできて総合的には幸せだと思ってはいるんですけど、イヤだな〜って思うことも当然いろいろあるんです。仕事だから。
指の皮が向けて血が出てるのに楽器弾かなきゃいけないとか、
子供の運動会とか友達の結婚式なんかと演奏会が重なって行けないとか、
ビンボー堪えるお仕事とか(←これ重要)
このビンボーに堪えるお仕事は、とくにこの年になってくると骨身にこたえてきますね〜(苦笑)。
でもまあ、そんなこと言ってたら今の時代の必殺キー・ワード、
「仕事があるだけでもありがたいと思え!」を言われちゃいそうなので、普段は金持ちの振りしてるんですけどね。
さて、ビンボーに堪えるのはキツいのですが、それに比肩してイヤなのが、”あまりにも下らない曲(芸術的な価値が著しく低いかもしくは無いという意味で)などを演奏させられるお仕事”ですかね。
札響はありがたいことに、そういう仕事はあまりないのですが、貧すれば貪す、一般的に言ってオケが貧しくなるのと比例してその手の仕事が増える傾向にあると思います。
昔、某真理教があろうことか、オーケストラを作ったことがありましたよね。
そこの某尊師が作曲した事になっている曲を演奏するためのオーケストラです。(実際には音大出の信者が作っていたんだと思いますが)
「交響曲”真理”第一番」とか、そういうノリだったように記憶しています。
オーケストラの団員は、当時国が崩壊して仕事を失っていたロシアのプロオーケストラ奏者たちだったそうです。
と思ってYouTubeを探したらありました。
これは見てるだけで悲しくなります。
オケの楽員はみんな死んだ魚の目みたいになってますね。
この期に及んで、「仕事なんだから一生懸命演奏しろ」とか、「プロだったらどんな時でも完璧を目指せ」とか、「やる気の無い態度は作曲者やお客に失礼だろ」とか、「この曲を聴いて感動してる人だっているんだぞ!」とか言われてもね〜、と彼らは思ったでしょう。
まあ、確かに当時は感動してる人も一部にはいたのかもしれませんけどね。
もうひとつ。
近くて遠い某国の国立オーケストラの動画を発見しました。
これはどうなんでしょう。
彼らが幸せか不幸かという点では評価が分かれるところだとは思うのですが、
このオーケストラはマーラーの交響曲を暗譜で弾いてしまったりしているそうです(あり得ないほど過酷だと思うけど)。
これを見る限り、演奏はとても上手で疑いようもないプロフェッショナルです。
いろいろ事情があるんだと思います。一生懸命弾いているようには見えるけど、上の動画で演奏している曲の"価値”を彼らは、よ〜〜く分かっているはずです。
私は気の毒に思うんですが、どうなんでしょうね。ひょっとして余計なお世話かもしれません。
彼らから見たら、「金のために演奏するなんて悲しい。思想のために演奏している自分たちのほうがマシだ」と思うのでしょうか。
分かりませんが、どちらにしても悲しいんです。
金儲けだけ考えたらオケの楽員なんて演奏家にとってそれほど割りに合う仕事ではないんでしょうが、それでもベートーヴェンやモーツァルトや、ブラームスやマーラーや、偉大な芸術に常に触れていられます。
苦労してでもいいオケに入れれば、上手な同僚と一緒に一流の指揮者やソリストとハイレベルな聴衆に囲まれて芸術性の高い音楽を共有できます。
だからオケはやめられないんです。
プロだから食っていくためにお金は当然必要なんだけど、もし、お金のためとか思想のためとか、芸術以外の目的に軸足を移しだしたらオケは存在意義を失うでしょうね。
一瞬はいいかもしれないけど、たぶん最終的にはお客さんにも社会にも見捨てられると思います。
これはオケだけではなく、芸術業全般に言えることかもしれません。
さて、痩せても枯れても専門家集団のプロ・オケの楽員から見て、いくら相手が”芸術テイスト”で売っていても、メディアが持て囃していても、生意気に聴こえるかもしれないけど一発でニセモノと分かることも多いんです。
自分たちの信じる(少なくとも私の信じる)オケの存在意義を守るために、明らかなニセモノには近寄らない努力をしなければいけないんでしょうが、
実際にそれを口にするのは、分かっちゃいるけど難しいんですな〜〜。
それではみなさんごきげんよう。
(※)この部分は後の話の展開に弾みをつけるためにわざと書いている”ネタ”です。筆力は至りませんが文脈から判断していただけることを期待しています。
本当に怒り狂っているわけではありませんので抗議のメールは送らないよーに!