2011年05月08日

ちょい悪男の群像

欧州公演に持って行くカメラをデジ一にするか、コンデジにするか迷ってます。デジ一(nikonD200)は重いので軽いズームレンズとも思うのですが生憎持っていません。いっそのこと短焦点一本で勝負するとか・・。男はズバッと短焦点、ってことで。
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先日、買い物に行ったついでにデパートの背広(スーツという言い方嫌い)売り場を何気なく覗いたんですが、最近は黒ばっかりですね。
いえね、ずっと気になってたんですが、細身の黒背広にノーネクタイでワイシャツの第二ボタンまで開けて着る感じのスタイル。

『ちょい悪』風っていうんでしょうか・・・、
『デキる男は仕事もプライベートも黒スーツでバッチリ!』風 というんでしょうか・・、
なんて言うかよく分かりませんけど、でもね、はっきり言って、

一般人がやったら絶対おかしいって。あれ。

悪いことは言わない。一般人はやめれ!。
カンヌ映画祭の授賞パーティーに出席してる真田広之じゃないんだから。
まあ、あれをさらっと着こなしてカッコいいのは、真田か、矢沢栄吉か、次元大介か、Gメン’75の丹波哲郎くらいでしょう。

469c
(写真はイメージです)

でも最近はちょい悪風男が集団であの格好してますよね。
建物のなかでもサングラスしたりして、ヘンだってば!。「マトリックス」じゃないんだから。
10年後に写真見たら死ぬほど恥ずかしいと思うよ。きっと・・。

”ちょい悪”ってフレーズも雑誌なんかでよく見たり聞いたりするから今使ってるんですけど、そもそも”ちょい悪”ってなに?
この昨今のはみ出し禁止の優等生社会で”ちょい”だろうと”悪”なんてあり得ないと思うのですが・・・。
細身の黒背広をぎこちなく着た私と同世代のおじさんが、飲み屋で若者とかに、
「俺も昔はずいぶんとやんちゃをやったもんだぜ・・」 とかって言うんだろうか・・。想像するだに寒い。私は絶対にやりたくない。
そんな光景を見たら「だから悪って?」 と小一時間ほどそのおじさんを問い詰めたくなるだろう。
例えばなに?
夜中に信号無視したとか?
煙草のポイ捨てをしてしまったとか?
泊まったホテルのタオルを盗んじゃったとか?
2ちゃんねるに憎たらしいやつの悪口書いたとか?
駐車場で隣に止まってる車に擦っちゃったけど、そのまま逃げたとか?
期限切れの定期券を改造してキセルをしたとか?
学生時代に山に入って自生してる大麻っぽい草を摘んできて自宅の押入れで陰干しにして吸ったとか?
その時に東急ハンズの実験コーナーでフラスコとゴムチューブ買って製作した水パイプを使用したとか?
二股かけてたことが彼女にバレて、泣かれて怒られて、やがて重苦しい沈黙の中で3時間ほど正座して過ごしたとか?

まあ”ちょい悪”って言ってもせいぜいそんなところでしょ。
小さい! 小さすぎる!
悪と言ってもしょせんこの程度の一般人が、不良っぽさをアピールするから格好悪いのです。
カラ威張りしてるみたいで逆に弱さを強調してしまうのです。
”ちょい悪”とか言いながら流行に乗ってみんなで同じ格好してるから、余計にヘナチョコ振りを倍増させてしまうのです。

黒澤映画の「用心棒」で、三船敏郎演じる桑畑四十朗こと用心棒が、宿場町のチンピラたちに囲まれて、
「まったくお前たちは可愛らしいな、虫も殺せねえ顔してスゴんでるところが何とも可愛らしいってんだ!」という名セリフがありますが、
集団で黒背広着てスゴんでる”ちょい悪くん”たちはまさにそんな感じ。
三船敏郎に来てもらって「先生! どうぞ!」 とお願いして、
「まったくお前たちは可愛らしいな、虫も殺せねぇ・・・・・」 と言ってやっていただきたいですね。(自分じゃ言えないから)
でも真面目な話、そもそも本当に悪い人間は悪そうな格好なんてしないと思いますよ。きっといい人の振りをしているはずです。


というわけで、
背広売り場で佇むことものの1〜2分。
「よろしかったらご試着なさってください」 という店員に 「あ、いえ・・、」と口ごもり、黒背広を見ていたというだけで恥ずかしくなり、早々に売り場を離れました。

仕事柄、演奏会でも着れて便利なので黒背広を愛用していたのですが、10年くらい前までは探すのに苦労したんです。
売り場で「黒いのはありませんか?」と訊くと
「え? 真っ黒ですか? 礼服とかになっちゃいますね〜」と店員に怪訝な顔をされたものです。
早く流行が終わらないかな〜。
ま、流行が終わったら今度は”流行遅れ”の期間がしばらく続くんでしょうけどね。

自分が一般人であることを充分自覚している私としては、当分黒背広は着れないな・・・


ほんじゃらな!

Posted by arakihitoshi at 23:00│Comments(8)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
出たぁ〜〜〜荒木節!! 座布団10枚!!
以前流行った“へぇ〜ボタン”が手元にあったら、連打につぐ連打!!
やっぱりarakihitoshiはこうでなくちゃ・・・

うちの主人、昨年末“ちょい悪風黒コート”を買ってきました。
「こんなのしか売ってないんだよねーー」とか言いながら。
当然似合いません。一般人ですから・・・
Posted by あけんこ at 2011年05月09日 08:38
そんなに褒めてもらってうれしいっす。(`▽´)
「こんなのしか売ってないんだよね〜」というのよく分かります。
本当にそんなのばっかりですよ。国民服みたいです。
コートだけじゃなくて、普通のシャツも小さくて腕細くて第二ボタン締めたら引き攣るし、ぱっつんぱっつんです。
男性服の女性服化っていう要素もあると思います。

というわけで、また書き込んでください。
Posted by あらき at 2011年05月09日 23:22
黒の背広、確かに多いっすね。就職活動中の学生さんもみんな黒だもの。
でも、一般人がぱっつんぱっつんの黒の背広でネクタイしっかり締めてたら、なんとなくみんな「若手お笑い芸人」に見えてしまう、ってのは…自分だけでしょうか…(汗)
(ノ`0´)。アルゴリズム体操〜 (…とかやりたくなる)
Posted by ごまふ at 2011年05月11日 21:56
ごまふ>
うんうん、そうなるっすね。
ボクも出来心で試着した時には、試着室の鏡に写った自分の姿の、ただでさえデカい頭がますます異様にデカく見えるのに唖然としました。
たしかにアルゴリズム体操踊りたくなりましたね。


Posted by あらき at 2011年05月12日 00:15
ちょい悪風黒背広が似合う人に、内田裕也を入れるのを忘れていました・・・(笑)。
Posted by あらき at 2011年05月13日 16:56
>ちょい悪風黒背広が似合う人に、内田裕也を入れるのを忘れていました・・・(笑)。

↑師匠に座布団10枚!!!(爆)

ほんとにね〜〜〜〜〜。
いくら流行りだからって、みんながみんな同じにならなくても良いのにね。
あれは中高を「制服」に押し込められて過ごした弊害でしょうね。
お仕着せはいやだとか何とか言いながら
ホントにホントの自分らしい個性的なことはなにもできない。

うん、やっぱ70年代の公立高校の制服自由化があそこで止まっちゃったのは
なんとも惜しまれますな。
私も、自由化直後にあの高校にいたのは幸運だったのかも。
人と違うことに、ヘンな戸惑いは一切ないです。

あ、、、、、合唱してるときは、人と違うのはめっちゃ違和感あります!!(笑)
Posted by Traviata at 2011年05月14日 01:46
最近の背広とズボンはなんであんなに窮屈なんでやんしょう。
こないだ買ったばかりのズボンの裏地が、しゃがんだらベリッとやぶけてしまいましたよ。俺、太ってねぇのになあ・・・。
思えば、就職したての20数年前には、イタリアンとかいう正反対のスタイルのダボダボのスーツが流行ってました。数年後には、またダボっとしたダラシナイのが流行るんでしょか?!
チョイ悪ってのは、ほんとに悪なんじゃなくて、ちょっとワルそうに見えるってことなんでしょうね。まあカッコも含めてアタマがチョイ悪そうな奴は、街にたくさんいるけど。
就活生たちも説明会の会場なんか見るとカラスの群れみたいで、どいつもこいつもおんなじに見えるけど、“個性”とかいうものを重視した教育とやらを受けてきた連中って、実は突出しちゃいけないことを強いられた可愛そうな世代なのかな・・・。紺やグレー着たっていいんだぞ!
Posted by hikochin at 2011年05月15日 11:00
Traviataさん>
なるほど〜、制服の弊害もあるかもしれませんね。
でもまあ、少なくとも日本では下手に個性なんてあると逆に苦労しますからね〜(笑
制服の弊害と捉えるか恩恵と捕らえるかは微妙なところなのかもしれません。

hikochinさん>
頭チョイ悪ね! あはは。うまい!
そうですね〜。バブルの頃はみんなダブダブの服でしたね。肩幅なんかまるで裃みたいに広かったですよね。
さらにその前の70年代はピチピチでしたね。「太陽にほえろ」でボスとか殿下が着てる背広はピチピチですよね。
ということは、バブルの頃に買って捨てずにとってある背広は、あと数年したらまた着られる?
Posted by あらき at 2011年05月16日 01:05

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