真央ちゃんは白鳥湖のオデット、キム・ヨナはオディールにイメージがかぶります。
あえて言うなら"清純"と"妖艶"。どっちもいいな〜〜〜〜〜!(≧∇≦)ノ彡 バンバン!
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季刊「ゴーシュ」で連載していた”クラヲタへの道”の転載禁止期間が過ぎたので転載します。
この回が最終回です。
”クラヲタへの道”は4年間の連載でした。
『ラスト・オーケストラ・サムライ』、『ラスト・オーケストラ・サムライpart2』につづく小説(?)第3弾です。
雑誌だからというのもあってか、読んだ人の感想とか反響というものがまったく分かっていないのですが、
自分的にはけっこう気に入っている作品です。
自画自賛ですが、よくぞ600字にそぎ落としたと思います(笑)。
演奏会って、よくお客さんと「目が合った」と思うことあるんですよね。
とくに拍手の時とかね。室内楽なんかでは目のやり場に困ることも多いです。
自分がお客で行ってる時は、演奏者のそういう心理がよく分かってるので、
なるべく出演者の目を見ないようにしてあげています(笑)。
でも「目が合った」なんて考えすぎで、じつはぜんぜん目なんて合ってなかった、っていうこともよくあります。
今回は、そんな舞台と客席の間のお話をロマンチック風味にしてみました。
”クラヲタへの道”
その16 最終回
恋のゆくえ
毎月この日は残業を断り急ぎコンサートホールに向かう。
チューニングが終わり静まり返った会場は指揮者の登場を待つ。
演奏が始まると俺の視線は指揮者でもソリストでもない、
オーケストラの中のあの女性に釘づけになる。一口で言えば清楚
な美人だ。長い髪は毎回工夫を凝らしてセンス良く纏められてい
る。上品で育ちの良さそうな立ち振舞い。軽く頷いてから楽譜を
めくる仕草が何とも可愛らしい。プログラムの名前をたよりに
ネットで彼女のことを検索してみた。趣味はショッピング。好きな
食べ物はアップルパイ、か。
客席の彼の存在に気づいたのは半年くらい前かしら。同僚のコが
「あの席にとてもステキな人がいるよ」って。いつもひとりで来る
あの人。まん中の通路の後ろから4列めが彼の指定席。
最初は、ふーんって思っただけ。でも気のせいかもしれないけど
ずっとこっちを見ている気がするの。いつも赤いネクタイなのね。
赤が好きなの?、どんな仕事をしてるのかしら。肩幅が広くて、
仕立ての良さそうなスーツがよく似合ってて。確かにちょっと
目立ってるわね。
思い余って彼女と同じ楽器を通販で買った。俺が弾いてもまったく
楽器の音がしないな。楽譜をめくる彼女の仕草を真似してみた。
なるほど、こうか・・。
今日もひとりなのね。この曲はお休みが多いからあなたのこと
たくさん観察できるわ。ふふ、自分が見られてるとは思ってない
でしょ。あ、また顎を撫でてる・・。癖なのね。髭が気になるの?。
最近は演奏会を聴きに来ているのかキミを見に来ているのか分から
ないよ。ネットで私服姿の写真も見つけたよ。本当にセンスがいいんだね。
赤いシュシュの髪留めをして舞台に出るのは今日で3回め。どお?
あなたのネクタイとお揃いでしょ?。でも気づいてくれるわけないわよね。
赤い髪留め、黒い衣裳に映えてよく似合っているよ。ん?いま俺を
見た気がする。どうも最近よくこっちを見てる気がするな。勘違いでも
嬉しいよ。
拍手の時、指揮者に立たされるでしょ。あの時ついあなたの
方ばかり目がいっちゃう。あ、また目が合った。やっぱり私のこと
見てるでしょ。
彼女へのプレゼントに小さなネックレスを買った。こんな自分が
滑稽だがもう気持ちを抑えられない。ファンだと言って楽屋口で待
てば渡せるはずだ。「いつも目が合いますね」とでも言ってみようか。
演奏会が終わった。心臓の鼓動は限界だ。意を決して椅子から立ち
上がると隣の席の男が俺を呼び止めた。「落ちましたよ」と男は
ネックレスの入った袋を拾って俺に手渡した。笑顔の爽やかな整った
顔だちの男だ。「この男なら彼女とお似合いかもな・・・」。
俺はその男の赤いネクタイを眺めながらふとそう思った。